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とれんど捕物帳 ドル安加速 FRBの警戒シグナルも点灯か 来週はイエレン証言

配信日時
2016年2月6日(土)09:00:00
掲載日時
2016年2月6日(土)09:10:00

【ドル安加速 FRBの警戒シグナルも点灯か 来週はイエレン証言】

 本編の前にまずはお詫びです。先週にお伝えした日銀当座預金の中のマイナス金利適用の部分で、数字の認識ミスと計算ミスがありました。
 貸出支援基金を2.4兆円とお伝えしましたが、正しくは24兆円の誤りでした。2月1日に発表になった「日銀当座預金増減要因と金融調節(1月実績)」では、貸出支援基金と被災地金融機関支援資金供給の合計で約30兆円だそうです。更に法定準備金を二重に引いておりました。
 日銀の説明によると、「2月積み期間の当座預金残高は未定であるが、仮に260兆円とすれば、-0.1%が適用される残高(政策金利残高)は、当初は約10兆円となる。ただし、これらは取引先全体の計数であり、金融機関間でのばらつきにより、マイナス金利の適用部分はこれよりも大きい」とのことです。
 当座預金残高(仮)が260兆円、基礎残高が約210兆円、法定準備金が約9兆円、貸出支援基金と被災地金融機関支援の合計が約40兆円。
260兆円-210兆円-40兆円=10兆円
だそうです。
 以上、お詫びして訂正いたします。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここから本編です。

 今週はドル売りが加速した週だったと言えよう。市場は本格的に景気の先行き懸念を強めており、唯一の支えとなっていた米経済の先行きにも懸念を示し始めたようだ。
 今週は英中銀の政策委員会(MPC)が行われたが、こちらも慎重姿勢を強めている。ECBに始まり、FRB、日銀、そして、今週の英中銀と主要各国の中銀は一斉に慎重姿勢を強めている。景気に配慮したのだろが、逆に見れば、思った以上に深刻な様子も浮き彫りにしている。

 米利上げ期待も後退している。週末の米雇用統計で賃金上昇の兆候が出ていたことから、市場は年内利上げの可能性は温存させているものの、3月利上げの可能性はほぼ無くなったと見ているようだ。
 FF金利先物から利上げの確率を算出しているCMEグループの「FedWatch Tool」では、3月利上げ確率は7.8%まで低下している。
 個人的な見解として、現時点での次の利上げ確率は3月が25%、6月以降を75%と、3月の確率を前回(35%)から更に引き下げる。

 そのような中、ドル円も失速し116円台に急落。日銀によるマイナス金利のサプライズで、121円台まで急伸していたものの、完全に剥落し、逆に下押す格好となってしまった。3日天下ではなかったが、4日ともたなかったといったところ。
 ドル売り圧力が強まれば、日銀が演出した円売り圧力をもってしても、所詮はドル円は上げを維持できないということなのだろう。アベノミクスの最大の功労者は日銀ではなくドル高だったのかもしれない。

 これが本格的な流れになるのか気になるところではあるが、海外経済の悪影響を米経済が吸収できるかどうかだろう。米小売り企業の決算を見ると、10-12月のホリデーシーズンの消費はあまり芳しくなかったようだが、この傾向が続くかどうかはまだ未知数の部分が多く、この先の指標を確認する必要があり判断は時期尚早。

 さて来週だが、FRBは警戒シグナルを点灯させ始めていることは確かだ。その意味では来週のイエレンFRB議長の議会証言は重要なポイントとなりそうだが、先日のフィッシャーFRB副議長やダドリーNY連銀総裁など、このところのFOMCボードメンバーの発言は、FRBが慎重姿勢を強めていることを示唆している。
 そのような中、イエレン議長が次の点を言及してくるか特に注目したい。次回の利上げ時期がより不透明になった事。そして、12月時点の想定よりも、より緩やかな正常化が必要と言及するかどうか。恐らく言及してくるものと見ている。
 米株式市場は上値の重い日々が続いているが、市場への配慮を議長に求めているのかもしれない。

 今回の市場の混乱の主因は中国経済への不透明感だろう。気にし出すと切がないほど闇は深そうだが、来週の中国市場は春節で大型連休となる。何もないことが最大の好材料なのだろう。

 そして、想定レンジだが、イエレン議長が慎重姿勢を滲ませるようであれば、ドルは更に下値模索が強まる可能性も見たい。ドル円の想定レンジは115.00~118.00と更に下へのシフトを想定。
 一方、ユーロドルは戻り売りも出そうだが、200日線の1.1050水準はサポートされるものと見る。想定レンジは1.1050~1.1350を想定する。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
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()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立継続
短期 ↓(↑↑↑)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑↑(↑↑↑)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 →(↑↑)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 →(↑↑)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(→)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓)

【概要】
幾つかのシグナルを合成し、各通貨ペアの中期と短期のトレンドを示しています。中期は先週末からのトレンドの変化を言葉で説明。短期は矢印でトレンドを表記、矢印の本数は強さを示します。強ければ最大3本の矢印が表示されます。

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