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とれんど捕物帳 結局、中央銀行頼りの構図から抜け出せないのか

配信日時
2016年1月30日(土)11:55:00
掲載日時
2016年1月30日(土)12:05:00

【結局、中央銀行頼りの構図から抜け出せないのか】

 今週も波乱の相場展開だったとは思われるが、概ねリスク回避の雰囲気が一服してきている。やはり、きっかけは中央銀行の動きであろう。先週のECB理事会から始まって、今週のFOMC、日銀決定会合と、年初からの市場の混乱に配慮した態度を明確に示している。
 結局、中央銀行が相場を支え株主対策をするという従来からの構図から何も抜け出せていないということが明らかになったように思われる。持ち駒も数少なくなくなる中で、果たしていつまでその構図を維持できるか懐疑的ではある。
 市場は一旦落ち着いており、正直安堵しているが、本丸はあくまで中国経済であり、日米欧の中銀が動いても、肝心の中国が不透明感払拭に乗り出さないようであれば、根本的な解決とはならないだろう。今後も市場は事あるたびに突いてくる可能性は高いと思われる。

 個別に見て行くと、まずFOMCだが、声明ではリスクバランスは均衡という文言を削除し、「世界経済や金融市場の動きを注視し、影響を判断する」と新たに言及してきた。予想通り市場の動きに配慮した言及とはなっているが、3月利上げの可能性を打ち消してくるとの期待もあったことから、一部には不満もあったようだ。
 今回の声明で3月利上げの可能性は低下したとは思われるが、無くした訳ではなさそうだ。12月の利上げは間違いだったとも取られかねないことから、そこは堅持するだろう。
 FRBも市場の懸念は共有するが、正常化の方向性は維持したいといったところなのかもしれない。
 その他、気になったのは「昨年末に経済成長は減速したが、労働市場は一段と改善」と言及していた部分。10~12月期の米GDP発表前だったにもかかわらず、わざわざ昨年末の景気減速を指摘している。更に純輸出と在庫投資の減少も指摘していた。純輸出の軟化については、前回も指摘していたが、在庫投資の減少は今回が始めて。
 在庫投資の減少については、ISMも直近の製造業景況感指数発表時に指摘していたが、FRBも海外経済と原油安、そしてドル高の影響が気掛かりになってきているのかもしれない。週末の米GDPは全てあらわしていたようにも思われる。

 個人的な見解として、現時点での次の利上げ確率は3月が35%、6月以降を65%と3月の確率を引き下げたい。

 そして、日銀だが、基本的にノーコメントにして置きたい!マイナス金利でも何でも好きにやってくれといった感じだ。
 ただ、つまらない計算をしてしまったので、一応、ご紹介しておこう。

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 今回打ち出したマイナス金利の適用スキームだが、当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じて金利を適用しようという代物だ。
 その3段階の階層とは、(1)基礎残高(2)マクロ加算残高(3)政策金利残高に分別される。

(1)基礎残高(+0.1%付利を適用)
 2015年1月~12月までの積み期間の平均残高で、前年のデータから計算すると約220兆円と思われ、ここから法定準備金を引いた額。12月時点での法定準備金は約8.7兆円だが、今回のスキームを適用する2月以降は若干増えると思われ、ここではあえて9兆円を仮想。

220兆円-9兆円=211兆円となる

 ちなみに積みとは、毎月16日から翌月の15日までの間に市中金融機関が日銀の当座預金に積むお金。市中の銀行は過不足を毎日調整。短期金融市場にコール市場というのがあるが、そのためにあるような市場だ。最終日に日銀が検査して、また翌日から始めるといった流れ。

(2)マクロ加算残高(ゼロ%を適用)
以下の3つの合計額
●法定準備金
上記から9兆円仮想。

●貸出支援基金および被災地金融機関支援
12月現在の残高は貸出支援基金が2.4兆円、被災地金融機関支援が0.3兆円の合計2.7兆円となっている。これはあまり変わらない。ここでは2.7兆円を仮想

●マクロ加算額
今回初登場で、(1)の基礎残高に日銀独自の掛目(基準比率)を掛けて算出。当初は0%とし、適宜見直すとしている。ここでは一応0兆円を仮想。
上記、3つの合計は、
9兆円+2.7兆円+0兆円=約11.7兆円となる。

(3)注目の政策金利残高(-0.1%を適用)
 該当月の当座預金残高から、法定準備金と(1)と(2)を引いた残り。当座預金残高は12月の積み期間で約253兆円となっていた。今回のスキームは2月の積み期間から適用になるが、昨年の実績を見ると、12月から2月の当座預金残高の増加幅は4兆円程度と規模からすれば小幅な増加に留まっている。
今年はどうなるかわからないが、同程度の増加すると見て257兆円程度を想定。

よって、

257兆円-9兆円-(1)211兆円-(2)11.7兆円=25兆円程度といったところが概算で想定される。

 昨年の実績から、3月末や6月末など四半期末に当座預金残高が大きく増加している。その場合は(2)にあるマクロ加算額を増額して調整するのだろう。

 概ね、マイナス金利が適用される部分は20兆円から30兆円といったところが推測される。関係者の話では10兆円~30兆円との報道もあった。

 25兆円とすれば、25兆円×0.1%÷365日=1日辺り6800万円となる。

 金融市場の規模からすれば、そう大きい額ではないのかもしれない。

 以上、つまらないネタを長々とすみませんでした!

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 さて、来週だが、ドル円はさすがに戻り売りが出るものと想定する。ドル円の想定レンジは119.50~122.00を想定。121.50付近に200日線が来ているが、そこから上は抵抗が強いだろう。下値は1月20日安値からのフィボナッチ38.2%戻しが119.50付近にありサポートとする。

一方、ユーロドルは1.0750~1.1050を想定する。金曜日の動きを見ると、まだ、リバウンド期待は完全に剥落していないものと見る。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑↑(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 ↑↑↑(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↑↑(→)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立継続
短期 →(→)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓(↓↓↓)

【概要】
幾つかのシグナルを合成し、各通貨ペアの中期と短期のトレンドを示しています。中期は先週末からのトレンドの変化を言葉で説明。短期は矢印でトレンドを表記、矢印の本数は強さを示します。強ければ最大3本の矢印が表示されます。

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