FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

とれんど捕物帳 今年は不良債権など中国問題に本格的にメスが入るか

配信日時
2016年1月16日(土)10:40:00
掲載日時
2016年1月16日(土)10:50:00

【今年は不良債権など中国問題に本格的にメスが入るか】

 遅ればせながら明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 さて、年初から波乱の幕開けとなり、市場はリスク回避の雰囲気を強めている。材料は中国、中東情勢、原油安といった昨年から引継いでいる懸念だ。
 特に中国の株安であろう。サーキット・ブレーカーの導入うんぬんが言われているが、それは二の次の話で、根本的な問題は実体経済そのものにある。
 昨年の配信で、「中国については引き続き懸念事項となり、不動産バブル、株バブル、そして、何よりも設備投資バブルが弾けたことは確かで、それらの処理が完了した気配は全くない」と言及した。年初からこの問題がハイライトするとは思わなかったが、遅かれ早かれといったところだろう。
 中国の国有銀行の不良債権は増加の一途を辿っている。中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の発表によると、9月末時点で、注意債権は2兆8130億人民元(約50兆円)、不良債権は1兆1863億人民元(約21兆円)、不良債権比率は1.59%と上昇が続いており、16四半期連続の増加となっている。不良債権処理に備えての引当金は2兆2635億元、不良債権に対するカバー率は190%となっているという。
 ただ、市場ではこの数字を完全に信用している向きは少ない。銀監会の発表は銀行各行の報告を集計したものだが、銀行自体の査定の甘さや、シャドーバンキングなど簿外債権は入っていないこと、そして、不良債権化を回避するため関連会社への付け替えなども疑われている。1990年代にどこかの国でも見たような光景だが、上記の金額を遥かに超えるとの憶測も広まっているようだ。
 不良債権が増加しているにもかかわらず、銀行の融資残高は拡大が続いており、昨年は加速していた。もしかすると、ゾンビ企業を追加融資で延命している可能性も疑われ、その追加融資まで焦げ付くと手に負えない。
 いずれにしろ、いまのところ真実はブラックボックスの中だが、この手の話は、時が進むほど事態は悪化して行くことは周知の通りだろう。今年は要警戒事項かもしれない。

 一方、米経済のほうだが、今週発表の指標からは年末商戦が振るわなかったことや、製造業も相変わらず低迷を抜け出す気配はないようだ。米経済はサービス業の堅調さが製造業の弱さを相殺している格好だが、企業決算などを見ても、この先の景気減速のシナリオも一応留意しておきたい状況だ。
 米地区連銀総裁の発言なども複数伝わっていたが、12月時点よりはやや慎重さも見せ始めている印象もある。
 個人的な見解として、現時点での次の利上げ確率は3月が40%、6月以降を60%としたい。

 さて来週だが、原油安、株安には引き続き警戒だ。ただ、さすがに過熱感も否めず、戻りが入ってもおかしくはない。ただ、上値は引き続き重いことも想定される。
 イベントとしては、中国GDPの発表があるが、あまり信用されていない面も多い。弱い内容であれば敏感に反応する可能性もあるが、それも無さそうな雰囲気もある。
 その他、ECBとカナダ中銀の理事会が予定されている。ECBは今回は据え置きも、3月の追加緩和期待は根強い。ただ、理事の中には様子を見るべきとの意見もあり、その辺に関してドラギ総裁が何らかのヒントを出してくるか注目される。
 そして、カナダ中銀だが、なかにはサプラズ利下げを実施してくるとの観測もあるが、個人的にはその可能性は低いように思われる。加ドル安がだいぶ進んでおり、現時点では不要と思われる。ただ、声明で利下げの可能性を示唆してくるようであれば、加ドルは敏感に反応する可能性は留意したい。

 想定レンジだが、ドル円は115.50~118.00を想定。一方、ユーロドルは1.0800~1.1050を想定。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立継続
短期 ↑(→)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

【概要】
幾つかのシグナルを合成し、各通貨ペアの中期と短期のトレンドを示しています。中期は先週末からのトレンドの変化を言葉で説明。短期は矢印でトレンドを表記、矢印の本数は強さを示します。強ければ最大3本の矢印が表示されます。

過去記事カレンダー

2016年1月2月3月4月5月6月7月8月    
2015年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2014年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2013年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2012年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2011年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2010年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2009年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
2008年 2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ

URL変更のお知らせ

KlugFXのURLはhttp://klug-fx.jpへ変更となります。お気に入りやブックマークなどに登録されているご利用者さまは、お手数ですが下記の新URLへの変更をお願いいたします。

http://klug-fx.jp