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とれんど捕物帳 安倍ウィークで円安進む コストパフォーマンス良好 ただ懸念は根深い

配信日時
2012年11月17日(土)09:10:00
掲載日時
2012年11月17日(土)09:20:00

 予想外に円安が持続し、円関連のトレンドは全て上昇を示現している。自身もそうだが、欧州情勢や「財政の崖」への警戒感が強く、米株も軟調な動きが続く中、ファンド勢の仕掛けもあり、円安は続かないと高をくくっていたショート勢は、完全に踏み上げられてしまったようだ。
 選挙後に次期首相が有力視されている自民党の安倍総裁からの、白川日銀総裁の去就も含めた、日銀への圧力が奏功した格好。
 週末の2日間でドル円は2円近く上昇している。ちなみに、昨年10月末~11月末に実施した為替介入額は単月で過去最大の約9兆円だった。その時のドル円の上昇は概ね3円弱。今回は日銀を脅してやっただけなのでタダ!。さらに米株下落にもかかわらず、なぜか日経平均は週末の2日間で360円上昇し、東証1部の時価総額を9.5兆円増やしている。すこぶるコストパフォーマンスが良いと言え、今回は空気を見事に読んだのかもしれない。
 今週の為替市場は安倍ウィークといった印象だったが、ここは解散を決めた野田首相にも平等に1票入れておこう。
 
 それはさておき、今回の円安を分析すると、日銀の追加緩和期待はもちろんだが、中国の政治情勢も背景にあるとも言える。中国共産党の最高指導部にあたる政治局常務委員のメンバー7人(チャイナセブン)が決定し、トップの総書記には習近平氏が就任した。注目はその他の顔ぶれだが、多くは対日強硬派として知られる江沢民派のメンバーが名を連ねており、胡錦涛国家主席に近い改革派の名前はなく、李克強氏だけが選ばれた格好。早期の日中関係改善も期待薄の中、日本経済への影響も懸念される。
 更に選挙後の原発の動向次第では化石燃料に依存する状況がしばらく続くことが見込まれ、エネルギー会社のドル買い・円売り需要も想定される。
 日中関係、エネルギー問題とも貿易収支悪化に繋がる。
 復興特需の反動もある思われるが、日本は景気後退が囁かれ始めている。それに対し、英欧以外の米国や資源国はプラス成長期待をしっかり維持。この先行きの景況感の相違も要因と言えよう。

 さて来週だが、米議会は感謝祭ウィークで休会のため、総論賛成各論反対の「財政の崖」の議論進展は期待しづらい。ユーロ圏は20日に財務相会合、22日に首脳会談が予定され、ギリシャ支援が再協議される。支援実施の最終判断が出るかどうか不透明な部分もあり、全体的に懸念は根強そうだ。
 様々な思惑で円売りが強まっいるが、長期的なトレンド転換との見方はまだ少数派。ドル円が3月に付けた年初来高値84円に向かって持続的な上昇を見せることには尚懐疑的。
 円相場は急ピッチな動きで過熱感は否めず、円安の動きは一服。一方、ユーロも上値の重い展開を想定する。

(Klugシニアアナリスト 野沢卓美)

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 上げトレンド継続
短期 ↑↑↑(↓↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑↑(↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立から上へトレンド変化
短期 ↑(↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 →(→)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立から下へトレンド変化
短期 →(↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓(↓↓)

【概要】
幾つかのシグナル(内容は秘密!)を合成し、各通貨ペアの中期と短期のトレンドを示しています。中期は先週末からのトレンドの変化を言葉で説明。短期は矢印でトレンドを表記、矢印の本数は強さを示します。強ければ最大3本の矢印が表示されます。期間は中期が2ヵ月程度、短期は2週間程度の傾向です。

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