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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

下降トレンドを強めるか。コーン市場で注意したい2つの要因

 シカゴコーンは、米農務省(USDA)の月例需給報告が発表された今月8日に大きく高下し、その後、緩やかな下降トレンドを描いている。現地13日の取引で中心限月の12月限は2日以来となる終値ベースでの370セント割れを示現し、翌14日の取引では小幅反発したが、戻りは僅かにとどまり370セントの復帰には至っていない。

 今後コーン市場の下降トレンドはますます強まる可能性も出てきている。その理由として挙げられるのが、南米諸国の生育状況だ。

<ブラジルの生育期は順調にスタート>
 南米には世界第2位、第3位のコーン輸出国であるブラジル、アルゼンチンがあるが、従来の世界第2位のコーン輸出国はアルゼンチンだった。それが18/19年度にはブラジルの輸出量がアルゼンチンを上抜くと予想されている。

 アルゼンチンは2010/11年度まで世界第2位のコーン輸出国だった。しかし2011年度以降はブラジルが世界第2位のコーン輸出国としての地位を固めつつある。

 18/19年度に関してもアルゼンチンの輸出量が2800万トンが見込まれるのに対しブラジルが2900万トンと予測されており、ブラジルの世界第2位としてのコーン輸出国になることが予想されている。

 その最も大きな要因となっているのが、ブラジルのコーン生産量の増加だ。USDAの需給報告によると、世界第2位のコーン輸出国としての地位を固める直前の年となる2010/11年度のブラジルのコーン生産量は5740万トンだった。

 しかし、その後は天候不良による減産に時折見舞われながらも、年を追う毎に同国のコーン生産量は増加する傾向を維持し、18/19年度の生産量は9450万トンに達する見通しとなっている。

 一方、アルゼンチンの生産量は10/11年度の2520万トンに対し18/19年度は4250万トンと、ブラジルと同様に増加しているとはいえ、その伸びは1730万トンであり、この間に4710万トンの伸びを見せたブラジルに遠く及ばない。
 
 ブラジルのこの大幅な増産を可能としたのが、大豆が収穫後から開始されるサフリーニャコーンの生産の伸びにある。元々はごく少量にとどまっていたサフリーニャコーンの生産量は、南部および南東部という従来の産地から中部から西部にかけて拡大するなかで増加しており、国家食糧供給公社(CONAB)によると18/19年度のブラジルコーン総生産量予測9040万トンのうち70%に当たる6370万トンをサフリーニャコーンが占めることになる。

 このサフリーニャコーンの作付は大豆の収穫後となる1月から開始されるという特性上、大豆の生育に遅れが生じるとサフリーニャコーンの作付けも遅延し、天候被害を受けやすくなる、というリスクも抱えている。

 そのため、サフリーニャコーン生産の先行きを予想するうえでも9月から開始される大豆の作付がどれほどのペースで進行したか、という点は重要だが、今年に関しては大豆作付が記録的に速いペースで進行しているため、サフリーニャコーンの作付は作付に適したちょうど良い時期に開始されることが現時点では見込まれる。

 なお、サフリーニャコーンが米国のコーン価格に与える影響はその生産量だけではない。その輸出の時期が米国のコーン輸出最盛期より早く開始されることに加え、輸出の時期が一部重なる、という点だ。というのも、サフリーニャコーンは1月から7月にかけて生育され、8月以降に最盛期を迎える。これに対し米国のコーン輸出最盛期は9月から1月間であるため、米国のコーンが出回る前にブラジル産コーンがすでに出回っていることになる。
 
 サフリーニャコーンの作付が現時点でちょうど良い時期に開始される見通しが経っているということは、将来的には米国のコーン輸出が圧迫されるとの見方が強まることになり、これが今後もコーン価格を圧迫する要因になってくる可能性がある。

<浮上したエルニーニョ現象発生の可能性>
 懸念されるのは、エルニーニョ発生の可能性が指摘されていることだ。日本の気象庁は9日にエルニーニョ現象が発生した可能性があると発表した。この現象は来春まで続く可能性が指摘されている。

 エルニーニョ現象は15/16年度のブラジルのコーン減産の原因にもなったため、今後、エルニーニョ現象発生時には高温少雨が広がりやすいとされる12月から2月間のブラジルの天気には一段と注意が必要となっている。

<不可解な中国の生産量の大幅上方修正>
 もう一点、コーン市場にとって注意が必要なのが、中国の生産量の大幅上方修正だ。11月8日に発表された今回のUSDA需給報告では中国国家統計局の発表に基づき、2007/08年度以降の生産量および期末在庫量が大きく引き上げられた。
 
 これを受けて18/19年度の世界のコーン期末在庫は前月時点の予測1億5935万トンから3億0751万トンへの大幅上方修正となっている。

 今回の大幅修正の具体的な理由は明らかにされていないが、実際の需給が今回の修正通りの内容だったとすると世界のコーン需給はこれまで考えられていたよりも緩い状態にある。

 米国、ブラジルといった生産国の状況に意識が向きがちであり、今回の需給報告発表でもそのインパクトはすぐに織り込まれた感がある。しかし、今回の需給報告での修正が実際の需給が数値上で明らかにされただけと考えられるにしても期末在庫率が14.39%から27.16%に引き上げられたインパクトはじりじりと効いてきそうだ。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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