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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

価格レンジを固めつつあるシカゴコーンが動く可能性はあるのか

 シカゴコーンは膠着状態となっている。24日の取引では総じて反落しながらも中心限月の取引レンジはわずか2セントにとどまった。

 9月に新たな穀物年度を迎えてからの値動きを振り返ってみると、9月の需給報告発表前は指標の期近12月限は365~370セントのレンジ内で高下していた。

 その後、9月の米農務省(USDA)需給報告での高いイールド見通しの発表が弱気のサプライズとなって値を落とし、9月18日に42.50セントまで下落。その後は売られ過ぎに対する警戒感から値を戻し365セント前後の値位置を回復。

 10月の需給報告発表前までこのレンジで高下した後、10月需給報告で前回の需給報告で148億2700万Buとされた米国の生産量が147億7800万Buに引き下げられたことが強気のサプライズとなって買われ、15日には378.50セントまで上昇している。

 ただ、その後も需給報告を織り込むなかで値位置を落とし、24日は370セント割れで引けた。

 米コーンベルトでのコーン生育が一段落し、生産量の見通しが付いた9月以降、シカゴコーンの中心限月は、需給報告などの材料が浮上すれば、その材料を反映した売り買いが見られて高下する場面が見られながらも、材料を消化すると365~370セントというレンジに回帰する足取りを見せている。

 天候相場期を終えると需給見通しが付くなかで様子見ムードが強まる傾向が見られるが、今年も材料に織り込み感が強まると同時に模様眺め気分が強まっていると見られ、今後も365~370セントというレンジが基本になっての高下が続く可能性が高まっていると見られる。

<注意したい南米要因>
 そのため、今後しばらくの間、シカゴコーンは短い期間内で高下しながらも、365~370セントという価格帯に回帰するという動きを繰り返すことが予想されるが、この傾向が変化する可能性もある。

 その可能性を高める一つ目の要因が南米の生育動向だ。現在、南米諸国ではコーンの生育期を迎えており、年末から年始にかけての時期に開花から受粉というコーン生育にとって最も重要な時期を迎える。

 南米諸国のうちブラジル、アルゼンチンが世界第2位、第3位のコーン輸出量を誇り、世界の輸出量における占有率はブラジルが約18%、アルゼンチンが約17%を占めている。

 共に重要な輸出国であり、それだけに天候不良に見舞われることがあれば世界の需給に直接的な影響を与えかねない。特に17/18年度はアルゼンチンが高温乾燥に見舞われて大幅な減産、そしてこれに伴う輸出の減少を強いられた。
 
 なお、USDAは17/18年度のアルゼンチンの輸出量予測を当初は2900万トン前後を見込んでいたが、最終的には2300万トンまで縮小するとの見通しが示されている。

 また、17/18年度の場合、アルゼンチンと同様にブラジルの輸出量予測も昨年10月時点の3400万トンから今年10月には2200万トンまでの大幅な引き下げとなっている。

 これら2大輸出国の輸出量見通しが引き下げられる一方、17/18年度の米国の輸出量見通しは昨年10月時点の4699万トンから今年10月時点には6194万トンまで引き上げられている。

 USDA需給報告は南米諸国の輸出が減少すれば米国の輸出が増加する可能性があることを示唆していると言え、それだけに18/19年度も南米諸国の動向が重要になってくる。

 それでは南米諸国での今年のコーン生産見通しは現在、どうなっているかというと、まずブラジルに関しては国家食糧供給公社(CONAB)が18/19年度の生産量見通しを前年度の生産量を970万トン上回る9040万トンと発表した。

 ただ、その内訳を見てみると早播作付コーンの作付面積が1274万エーカーが見込まれているのに対し、大豆の収穫後に作付されるサフリーニャコーンの作付面積が2850万エーカーと予測されている。

 なお、サフリーニャコーンの作付面積は大豆の収穫状況に左右されるため2月までは前年度と同面積が繰り越され、大豆の収穫状況に沿って修正が行われる。

 そのため、ブラジルの大豆収穫状況次第ではサフリーニャコーンの生産量が減少する可能性があり、9040万トンという生産量予測も今後、大幅な修正を迫られるリスクがある。

 とはいえ、現時点でのブラジルの大豆作付は記録的に速いペースと伝えられており、大豆の収穫遅れを原因とするサフリーニャコーン作付面積縮小の可能性は今のところかなり低い。

 一方のアルゼンチンは、18/19年度の生産量をUSDAは前年度の3200万トンから4100万トンに増加すると予測しているほか、ブエノスアイレス穀物取引所は4300万トンに達すると見込んでいる。

 ブラジル、アルゼンチン、共に増産が見込まれている状況だが、米国も大豊作が確定的となっているため、現在の需給見通しだけを基にすると18/19年度は世界的に需給緩和の傾向が強まり、これに伴ってコーン価格に対する下方への圧力も強まることが予想される。

 USDAは需給報告において18/19年度のコーン価格見通し(Bu当たり)を前年度の3.36ドルに対して3.00~4.00ドルとしているが、南米諸国での生育が順調に進行する中では予想価格レンジも下限の3.00ドルに近づいた値が示されてくる可能性がある。

<注意したいアルゼンチン情勢>
 ただ、アルゼンチンの場合、注意が必要なのは生育状況だけではない。同国の場合、国内の経済情勢の悪化に伴いインフレ率が大幅に上昇しており、これに対応するための措置として穀物の輸出関税賦課に向けた動きが見られるなど、豊作が直ちに輸出量の大幅な増加に結び付かないリスクも出てきている。

 全国的なストに伴い穀物輸出も何度も停止しており、生産量は増加しても輸出が滞るリスクもある。9月25日にはカプート中銀総裁が辞任を発表するなどアルゼンチン情勢は混迷が続いている。

 この混迷が米国のコーン輸出を促進させる可能性もあることがシカゴコーン市場にとっては買いをサポートする要因となっている。需給相場期を迎えるなか、シカゴコーンは365~370セントというレンジを固めつつあるが、この価格帯を打破する要因になりうる南米諸国の状況に関しては、生育状況のみならず国内情勢にも注意が必要だ。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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