FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

みんかぶFXとの統合のお知らせ

平素はKlugFXをご利用いただきありがとうございます。KlugFXは12月8日をもって、みんかぶFX(https://fx.minkabu.jp/)と統合いたします。KlugFXをご利用いただいているユーザーの皆様には、みんかぶFXをご利用くださいますようお願い申し上げます。

株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

シカゴコーンは下値固めの様相を強めながらも上昇は困難か

 シカゴコーン市場は9月28日に大幅下落し、中心限月の12月限は354.50セントまで値を落とした。10月に入り、切り返す足取りを演じており、2、3日の取引では370セントに迫る369セントを付け、終値も360セントを割り込んでおらず、9月の需給報告以前の水準まで回復している。

 今年の米国のコーンのイールドは過去最高が見込まれており、生産量も2016/17年度に記録した151億4800万Buに次ぐ148億2700万Buの見通しとなっている。その一方で消費量の見通しが151億800万Buに引き上げられたことで期末在庫率は11.7%が見込まれ、大豊作にも需給は緩むどころか、前年度の13.4%からは引き締まることが予想されている。
 
 9月の需給報告で米国の18/19年度の需要報告で生産量の大幅な引き上げが与えたインパクトが強かったため、需要面に対する反応はそれほど見られていないが、需給報告の余韻も織り込まれた後のシカゴ市場のコーン価格は、355セントを下値サポートにしての展開に転じつつある。

 需給報告の発表直後には343.00セントまで値を落とすなど、12月限としての一代の安値を更新する動きを見せていたことを振り返ると、現在のコーン価格の水準は地合いの強まりを感じさせるものと言える。価格が下落したところでは実需が見られたことが背景になっているだろう。
 
 米農務省(USDA)はコーン価格が350セントを割り込んでいた9月12日以降は13日にコスタリカ向けの14万2876トン、20日にメキシコ向け16万0200トン、21日には仕向け地不明12万1700トン、25日には23万9630トンの大口成約を報告している。

 週間純輸出成約高の累計も9月20日時点で1826万8000トンと前年同期の1135万0100トンを約61%上回るなど、大幅な増加を見せている。

 価格が下落した時点で需要が大幅に拡大している様子をUSDA発表の報告が示唆していることを受け、市場でも350セント近辺まで値を落とすと需要拡大期待が強まる、という動きを見せるように変化してきている。

 この動きは9月12日に発表された需給報告のインパクトはコーン市場に完全に織り込まれたことを示唆していると見られ、同時にシカゴ市場のコーンはほぼ下値を固めた状態にある。つまりこれ以上の価格下落余地は乏しくなったと考えられる。

弱材料織り込みでも上昇は困難か
 とはいえ、だからといってコーン市場の地合いが本格的に強まることを意味しているわけではない。というのも、やはり過去第2位の規模の大豊作が需給面に与える影響は強いうえ、米コーンベルトでは収穫が最盛期を迎えており、今後は供給量の大幅な拡大が見込まれるからだ。

 現在、米コーンベルトでは降雨が続く見通しとなっており、これが作柄の悪化や収穫遅れを促すリスクに対する懸念が高まっている。しかしながら、雨が止めば収穫は進行し、これに伴い大量のコーンの出荷が再開されることになる。

 降雨と同時に平年を上回る気温が続いていることで湿度の上昇やこれに伴う作柄悪化に注意をしておく必要があるが、現在の収穫ペースが平年を1週間程度上回るものであり、多少の収穫遅れには十分に対応できる時間的余裕があるうえ、よほどの長雨でない限り、生産量に大きく影響するほどの悪影響を見込むのは困難なこともあり、降雨に対する懸念が価格を押し上げるほど強まる可能性は低いのではないだろうか。

 実際、シカゴ市場では355セントを下値の支持線とすると同時に、370セントを上値抵抗にしての推移が続いている。8月下旬にかけて価格が下落した後で、若干の回復を見せた9月上旬にも370セントを上値抵抗にしたもちあい場面を演じているため、シカゴ市場では370セントが強い上値抵抗として意識されている可能性が高い。

 大豊作が確実となっており、現在は天候によって収穫に遅延が見られるとはいえ、将来的には確実に大量の供給が開始されるのを待つ状態のなかで、コーン価格がこの上値抵抗を上抜いてさらに大きく価格が上昇していくのを予想するのは難しい。

 価格が上昇する可能性があるとすれば、需給報告での大幅な修正、または南米での天候不良や生育不良だろう。

 そのうち需給報告については、9月発表時点での生産量が大きなインパクトを与えただけに、今後、生産量が引き下げられるなどの修正があれば、その分の戻りが期待できる。ただ、今年の場合、生育ペースが平年よりも速かった分、8月後半から9月上旬にかけての現地調査時点で把握できた結実見通しに大きな変化が生じる可能性は低く、大幅な生産量の修正は予測しがたい。

 一方の需要に関しては、価格が下落したところでは輸出用の需要が増えているほか、世界的な小麦減産がコーンの需要増という形になって現れてくる可能性がある。

 前述のように18/19年度の米国のコーン需要は過去最大に達していることもあり、需要面が主体になって需給が引き締まる可能性がある点には注意が必要だろう。

 また、南米諸国の動向については、9月に作付が開始されたブラジルでは表作コーンの最大の産地であるパラナ州では天気に恵まれて例年よりも速いペースで作付が進行している。調査機関であるSafras&Mercadoによると9月28日時点のブラジルのコーン作付進捗率は前年同期の24.5%に対し27.7%となっている。

 同時に、雨に恵まれていることで今のところ、コーンの生育に対する天候面での懸念は薄い、とも伝えられている。

 ブラジルでは表作だけでなく裏作に当たるサフリーニャコーンの生産量が伸びているため、表作の生産量のみが実際の需給に与えるインパクトは限られているが、それでも南米での生育不良は米国のコーン需要期待を高める重要な材料になり得る。

 現時点では順調なスタートを切ったブラジルでのコーン生育だが、これから来年初旬までは南米諸国の天気に注意が必要な時期が続き、現時点では価格を引き上げる要因とは言えない状態にある。

 シカゴコーン価格は9月12日の需給報告発表を受けて値を沈めながらも、その後、浮上してきたことで目先の下値を固めた感が強い。ただその一方では、米中摩擦という明確かつ解決の可能性を秘めた材料を抱える大豆市場とは異なり、今後、価格が大きく上昇するためのきっかけになる材料には乏しい。

 南米諸国の天候、今後の需給報告に対して引き続き注意が必要ながら、現時点の状況からは上値は限られる可能性が高いと見られ、当面は370セント、これを突破したとしても380セントが上値抵抗になっての低空飛行が続くことになりそうだ。

【ご注意】本ブログに掲載されている情報の著作権は株式会社みんかぶに帰属し、本ブログに記載されている情報を株式会社みんかぶの許可無しに転用、複製、複写することはできません。

平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ