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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

第4四半期も金価格の低迷は続くか

 NY金市場の中心限月の期近12月限は時折1220ドルに迫る動きを見せる場面を見せながらも、概ね1200ドルを前後する膠着状態に陥っている。

 この状態は9月4日以降に鮮明になっているが、金が上値を抑制されている理由は、米国の追加利上げとこれに伴うドル高、金市場からの資金流出の動きにある。

 9月に続いて12月も追加利上げが実施されるとの見通しが強まっていることが、金市場にとって根強い重石となっている。

 なお、米連邦準備理事会(FRB)は25日から26日にかけて開催した連邦公開市場委員会(FOMC)において0.25%の利上げを決定した。

 FOMC終了後に発表された今回の声明文からは「緩和的」との文言が削除されてい
る。これは、現在の金利が中立的とFRBが見ている可能性を示唆しており、金市場に
とっての強気材料になってもおかしくはない。

 ただ、FFの金利誘導目標である3.4%に達するまでには今年12月の1回、2019年の3回、2020年の1回の追加利上げが見込まれるなど、当面の間、FRBの追加利上げ方針に変化は無いと予想される。

 そのため26日のNY金も追加利上げを受けた売りに頭押されて中心限月の12月限は再び1200ドルを割り込む水準まで値を落としている。

 米国での追加利上げ方針が継続される限り、当面の間はNY金は上値を抑制される足取りが続くと予想されるが、1200ドルを割り込む水準まで価格が下落していることで注目されるのがこの水準で値ごろ感が強まり実需が高まるかどうか、という点だ。

【注目されるインドの需要】
 ここで注目されるのがインドの需要だ。インドは世界第2位の金消費国であるうえ10月~12月に需要が拡大する傾向があるからだ。

 インドの金需要が10月~12月に膨らむ背景となっているのは、まずインドの金需要が農家の需要動向による影響を受ける点が挙げられる。インドでは労働人口のうち約40~50%が農業に従事すると見られるが、これらの農家は10月~12月という収穫期を終えて現金を手にしている時期に金を購入する動きを活発化させる。

 また、この時期にはヒンドゥー教の新年に当たるディワリを迎える時期にあたり、新年を迎えるお祭りのなかで金需要が拡大する傾向があること、11月から婚礼シーズンが始まることも、この時期の金需要を押し上げる背景となっている。

 今年10月~12月間におけるインドの金需要は、農家の需要の拡大が期待できる。来年5月までに下院総選挙を控えていることを受けて、インド政府は雨季播種の作物に対する政府買取価格の最低保証額(MSP)の引き上げを実施しているからだ。

 7月4日にインド政府が発表したMSPは最低で生産費の1.5倍とされた。MSPの引き上げによって農作物の最低保証価格が前年度よりも増加する見通しが強まったことは、同国の農家の金購買意欲を高める可能性が強まる、という点で金市場にとっては強気要因となる。

 懸念されるのはルピーの下落だ。インドでは2019年度の予算案が市場予想を上回る財政赤字の拡大見通しとなったことに加え、インド国営銀行の巨額損失の発生さらには米国の追加利上げや原油価格の上昇を受けて対ドルで下落傾向を維持している。

 年初に1ドル=63ルピー台で推移していたルピーは、8月下旬には70ルピー台まで下落。その後も下落傾向が変化することはなく、9月26日時点で72.80ルピー前後に達している。

 ルピーが下落することは、ドル建てで取引される金価格が上昇することを意味する。そのため、このルピーの下落がインドの金需要にマイナスの影響を与える可能性がある点には留意が必要だろう。

 ただ、ワールド・ゴールド・カウンシルによると今年上半期のインドの金需要は前年同期に比べると8%減少した187.2トンだったが、下半期には金需要が増加し最終的な年間需要は700~800トンのレンジまで膨らむとの見通しを示している。ちなみに、前年度の年間需要は763.4トンだった。

 また、大手通信社がインド政府は対ドルでのルピー下落防止のための輸入関税引き上げを検討しているが金輸入に対しては追加関税の対象外としての検討が進められていると伝えていることは、インドの金需要にとっては明るい材料と言えるだろう。

 1200ドルを割り込んだ時点では買いの手が見られているNY金市場。米国の追加利上げ観測が引き続き重石になってくることが想定される。ただ、予想されているようにインドの金需要が10月~12月にかけて盛り上がりを見せるようであれば、米国の追加利上げに上限と期間の見通しが明確になりつつあるだけに、金価格が浮上する機会があってもおかしくないと思われる。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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