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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

上昇場面を演じるもその先が見えないコーン市場

 シカゴコーンは上値を追う足取りが続いている。中心限月の期近12月限は6月19日に338.75セントまで値を沈めた後は一時的な戻りが見られながらも7月半ばにかけて売り直される動きを見せてい。しかし7月18日に終値ベースで360セント台を回復して終えた後は概ね上昇傾向を維持し、7月31日の取引では388.50セントまで値位置を切り上げた後も大きく値を落とすことなく386.50セントと6月中旬以来の水準で取引を終えた。

 今月1日に大豆の大幅下落に追随して反落場面を演じているが、終値は379.50セントと6月下旬時点の水準に比べると高い位置を維持している。
 
 一時は350セントを下回る水準まで下落していたコーン価格が上昇基調に転換した背景となっている理由として挙げられるのが、世界的な小麦の減産観測だろう。

 生育期を迎えている北半球の主要産地である欧州、そしてロシアの黒海沿岸地域では乾燥した天気が続いており、小麦のイールド低下に対する警戒感が強まっている。

 米農務省(USDA)はこれらの地域における18/19年度の小麦生産量を5月時点ではロシアが7200万トン、EUを1億5040万トンと予測していた。

 7月の需給報告ではロシアが6700万トン、EUが1億4500万トンへとそれぞれ大幅な下方修正となっている。さらにオーストラリアの同年度の生産量見通しも2400万トンから2200万トンへと引き下げられたことに加え、現時点では生産量予測の修正は行われていないものの、カナダの産地でも乾燥懸念が浮上するなど、世界の主要産地での大幅減産が見込まれている。

 このような小麦減産見通しを受け、コーン市場では飼料用としての小麦の代替需要が拡大するとの見通しが高まっており、これがコーン価格を支援する要因となっている。

<独自の需給は弱気>
 小麦高がけん引するなか、シカゴコーンの中心限月は終値で352セント前後で推移していた7月半ばから380セント前後にまで値位置を切り上げてきたが、この強い足取りも長くは続かない可能性がある。コーンの需給自体が強気ではないからだ。

 前述の7月発表時点のUSDA需給報告では18/19年度の米国のコーン生産量は前月となる6月時点の予測140億4000万Buから142億3000万Buに引き上げられた。

 その一方で輸出量見通しが大きく引き上げられたため、期末在庫量は前月時点の15億7700万Buから15億5200万Buへと引き下げられている。ただ、それでも期末在庫率は10%台を維持している。
 
 10%台の在庫率はやや低めとはいえ、供給にひっ迫感が強い状態ではない。USDAも期末在庫量を下方修正しながらも年間の平均価格見通し(Bu当たり)を前月時点の3.40~4.40ドルから3.30~4.30ドルへとわずかとはいえ引き下げている。

 さらに注意したいのが、前年を上回る良好な作柄を維持し続けているうえ、平年よりも早いペースで生育していることで熱波のみならず、寒波被害にあうリスクも低下しているにもかかわらず、USDAは18/19年度のコーンのイールドを新穀年度の予測発表が開始された5月以降、174.00Buに据え置いていることだ。

 これは6月後半から7月半ばというコーン生育にとって重要な時期に熱波に見舞われ、作柄が大幅に悪化した17/18年度のイールド176.6Buを下回る。

 今年度に関しては週間作物進度報告の配信開始以降、良以上が占める割合が70%を下回ることなく作柄を維持しており、稀にみる良好な状態となっている。

 それだけにこれまでのUSDAのイールド据え置きは不思議なほど保守的な姿勢として見受けられる。ただ、開花~受粉にあたる時期をほぼ終え、結実~成熟にあたる時期を迎えており、高温熱波による受粉不良を警戒する時期は概ね通過している。

 受粉不良に対する懸念は大幅に低下しているとみられるだけに、毎週伝えられる産地の作柄を見る限りでは、今後のイールド引き上げは必至となるだろう。

 ちなみに、18/19年度のイールドが前年度のイールド程度まで引き上げられると仮定し、7月時点の需給報告における収穫面積をもとに割り出すと、18/19年度の生産量はおよそ144億4500万Buまで膨らむことになる。

 需要がそのままと仮定すると、期末在庫率は7月時点の予測10.5%から11.9%まで上昇することになり、当然のことながらコーン市場にとっては弱気材料となってくる。

<注意したいブラジルの動向>
 米コーンベルトの生育状況を見る限り、少なくとも上記の仮定程度の需給の緩みが予想されることになるが、これに歯止めをかける可能性が小麦減産以外にあるとすれば、ブラジルの減産懸念だろう。

 ブラジルでは二期作目にあたるサフリーニャコーンの生育期に高温乾燥に見舞われ、その結果、17/18年度の生産量は5月時点の予測8700万トンから8350万トンへと下方修正されている。

 二期作目にあたるサフリーニャコーンの生育期は2月から8月となり、17/18年度の生育は終了間近となっている。それだけに、同国の減産観測はこれまでの需給報告に織り込まれつつあると見られるが、その影響として米国のコーン輸出量見通しが引き上げられるようであれば、現時点で見込まれるイールド引き上げによるインパクトも幾分、吸収されることになりそうだ。

 ただ、このブラジル減産によるインパクトもこれまでの市場の推移で織り込みつつあると見られることもあり、大幅な修正が見られない限り、基調の本格的な変化をもたらすほどの影響には乏しいとみられる。

 8月の需給報告でUSDAがどの程度の修正を行ってくるかが注目されるところだが、コーン市場が本格的な上昇トレンドを描く場面があるとすれば、この需給報告のインパクトを吸収し、収穫が開始されることで材料に織り込み感が強まる9月上旬以降と予想される。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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