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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

上昇を期待したくても一筋縄ではいかない金市場

 NY金中心限月8月限は今月19日の取引で約1年ぶりの安値となる1210.70ドルまで下落した。その後、買い戻されて1224.00ドルで終えた。
 
 この日、NY金がこの水準まで下落を強いられたのは半期に一度の議会証言においてパウエル連邦準備理事会(FRB)議長が、今後の米経済について、労働市場は今後数年にわたって堅調を維持するうえ、インフレ率もFRBが目標とする2%程度で推移すると、米国の経済に対して強気な見通しを示したことに続き、発表された米新規失業保険申請件数や米フィラデルフィア地区連銀業況指数といった経済指標が強気な内容だったことを受けてドル高が進行したことが重石となった。

 ただ、翌日の20日にNY金は反発に転じただけではなく、週が明けると値位置を一段と引き上げ、23日には1244.70ドルまで上昇し、続く24日も1230ドル台を維持したことで、目先の下落に一巡感が強まっている。

 同時に金ETF残高も増加傾向を見せている。金ETFのうち最大規模を誇るSPDRの残高は、7月16日から18日にかけて794.01トンで低迷していたが、その後は再び増加しており、23日には802.55トンに達するなど、800トン台を回復している。

 なお金ETF残高は4月25日から30日にかけては871.20トンと今年に入ってからの最大規模まで増加していたが、その後は下落傾向に転じていた。それでも5月下旬までは851.45トンと850トン台を維持していたが、6月に入ってから縮小傾向が加速化した。

 これは6月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)において、追加利上げが発表されただけでなく、米国の強気な経済指標を受けて年内の追加利上げ回数見通しが引き上げられたことが背景となった。

 金価格が上昇すると同時に、SPDR金ETF残高が拡大しているため、NY金価格は底打ちとも見られる。

 とはいえ、金価格が今後も上昇傾向を維持できるかに関しては不透明感が強い。金ETF残高もこの数日は増加傾向を見せたとはいえ、価格下落を受けて安値を買い拾う動きが出たに過ぎない。

 今後も金価格が上昇し、同時に金ETF残高の増加も続くようであれば底打ちから上値追いに転じたと考えられるものの、米中間の貿易摩擦が激化するなかにもかかわらず、NY金市場からは資金が流出した時と投資環境に大きな変化が見られたわけではない。

 そのため、現時点での価格の上昇と金ETF残高の増加は、1年ぶりの水準まで価格が下落し、一方の金ETF残高は800トン割れを示現したことで値ごろ感からの買いが広がったと考える方が自然だろう。

<価格上昇の可能性が高まる年後半>
 現時点の金価格の上昇は、下値警戒感の強まりが背景になっているとはいえ、年後半を迎えるなかで金価格は上昇する可能性が高まりそうだ。

 その理由として挙げられるのが、年後半には金の需要が拡大するきっかけとなる複数の要因が存在することだ。

 その一つが世界最大級の金消費国であるインドの婚礼期だ。インドではダウリ―という花嫁に金のアクセサリーを持参させる風習があり、婚礼期を迎える時期には同国の金需要が増加する傾向がある。

 特に今年は金価格が下落しているからこそ、婚礼用としての金需要が盛り上がる可能性がある。

 同時に、強気な米国経済の見通しも金市場にとって強気に作用する可能性がある。というのも、金は物としての側面も持つため物価の上昇、つまりインフレ率の上昇が見込まれる時には金価格も上昇すると連想され、これが金市場にとって買い支援材料となってくることが見込まれる。

 とはいえ、インドの金需要は農家の収入との関連が強く豊作か不作によって需要が左右される。今年に関しては今のところ、豊作が見込まれていることが金市場にとっては強気要因ながら、実際の生産量によっては金需要がこれまで予想されていたよりも伸びない可能性もある。

 インフレ率の上昇は米国にとっては追加利上げの可能性を示唆する要因になる。そのため、1年ぶりの水準まで落ち込んだ金価格が年末にかけて上昇する可能性が高まったと見られるとはいえ、それは金需要が高まるイベントが多く控えていることを意味するにすぎず、またインフレ率の上昇に関しても市場が金の持つ物価としての側面に反応を示さなければ価格への影響は見られないことになる。

 金価格上昇の可能性が高まると見られるとはいえ、価格上昇を促す要因には強弱の側面があり、実際のところ金価格が上昇しても下落後の修正程度の動きにとどまるなど、一筋縄ではいかない可能性がある点に中止しておきたい。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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