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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

明暗の分かれつつあるコーン市場と大豆市場

 シカゴ市場では大豆市場が値位置を切り下げる展開が続く一方、コーン市場では底意の強い足取りを維持するなど、両市場の地合いの違いが次第に明確になりつつあります。

 シカゴ大豆の中心限月は今月2日の取引で1082.50セントまで値位置を切り上げた後は下値追いに転じ、26日の取引に至るまでじりじりと値を落とす場面が続いています。

 これに対しシカゴコーンは同月14日まで390セントを前後する足取りを維持した後に値を沈めながらも375セント割れには強い抵抗を見せ下げ渋りとなっています。

 この値動きの違いの一因となっているのが、まず米政権による保護主義的な政策に対する警戒感です。

 米国ではトランプ大統領が22日に中国による米国の知的財産権侵害が原因としたうえで、中国製品に対して最大600億ドル(約6.3兆円)規模の関税を課すことを目指す大統領覚書に署名しました。

 米国による保護主義的な動きへの報復措置として中国商務省は23日に128品目もの米国産品に総計で約30億ドル(約3100億円)相当の輸入に追加関税を賦課する計画を明らかにしました。

 この米国、中国のそれぞれの動きが米中間の緊張高まりに対する警戒感を強めるなか、米国にとって最大の大豆輸出国である中国への大豆輸出が伸び悩むとの懸念が深まりました。

 米国の大豆輸出は大豆生産国並びに輸出国としての成長を続けるブラジルの大豆輸出に圧迫されることが見込まれていました。

 米国農務省(USDA)の需給報告における大豆輸出量および予測は、米国は16/17年度の5916万トンから17/18年度には5620万トンに減少することが見込まれる一方、ブラジルの輸出量は16/17年度の6314万トンから7050万トンへの拡大が見込まれています。

 なお16/17年度には3億2977万トンだった世界の大豆需要は17/18年度には3億4378万トンに増加することが見込まれています。世界的には需要の伸びが見込まれているにもかかわらず米国の大豆輸出は減少し、その一方でブラジルの大豆輸出が増加すると見られていることは、世界の需要がブラジル産中心に高まっていることを示しています。

 米中間の貿易戦争はこの米国の大豆輸出伸び悩みに拍車をかけかねない要因であり、同時に警戒感も高めているのです。

【米国産大豆の作付け意欲高まる】
 このような輸出の伸び悩みにもかかわらず、現地29日に発表される米国の作付意向では、大豆とコーンの比価から大豆への作付意欲が高まることが見込まれています。

 海外主要通信社調べによる18/19年度の米国の大豆作付面積意向は9091万9000エーカーで前年度の9014万2000エーカーを上回ります。イールドが17/18年度と同水準を維持すると仮定した場合、18/19年度の生産量は44億Bu台に達することが見込まれます。

 輸出の順調な伸びが見込まれるようであれば増産も輸出増によって相殺されることが見込めますが、輸出が圧迫されるようであれば国内需要が伸びない限り、国内の需給の緩みを促すことになります。

 アルゼンチン産地での高温乾燥を囃した買いを受けてシカゴ大豆の価格は一気に価格が上昇しました。これを受けて大豆とコーンの比価が拡大するなか、その利潤性が手掛かりとなって大豆の作付面積の拡大が促されるようであれば、アルゼンチンは世界最大の大豆粕輸出国とはいえ、その減産分はブラジルの豊作で相殺される可能性が見込まれるだけに、米国の大豆需給は供給の拡大と輸出用需要の伸び悩みという需給両面からの弱材料を抱え込むことになります。

 これに対しコーンの場合、17/18年度のアルゼンチンの輸出量予測が3月のUSDA需給報告では前月時点の2750万トンから2500万トンへと引き下げられる一方、米国の輸出は前月時点の5207万トンから5652万トンへと上方修正されています。

 つまり、大豆とは異なりアルゼンチンの減産に伴う輸出減少は米国の輸出増によって相殺されるという見通しが示されているのです。

 これもブラジルに世界最大の輸出国という立場を奪われた大豆とは違い、コーンは依然として世界輸出に占める割合が36%前後と世界最大規模を維持していることが背景になっていると考えられます。

 さらに、今春の作付に関して大豆との比価が影響し前年度の9016万7000エーカーから8934万8000エーカー程度まで縮小する見通しとなっていることも価格を支える要因になっています。

 これらのことから大豆は輸出用需要の減少が見込まれるにもかかわらず米国内の作付けは拡大見通しにある、つまり需給緩和が予測される状況にある一方、コーンは輸出用需要の拡大が見込まれるにもかかわらず米国内の作付は縮小が見込まれる、つまり需給の引き締まりが予測される状況にあるのです。

 実際には29日に発表される作付意向がどの程度になるかを確認する必要があります。しかしながら、二期作目を迎える時期の南米の天候次第とはいえ、南米の動向を映した輸出見通しについては当面は変更がないと見られ、それだけに大豆とコーンは明暗を分けた足取りを演じることになりそうです。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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