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株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド

10ドル台達成の大豆市場は楽観視できるのか

 シカゴ市場では大豆が続伸場面を演じ、中心限月の3月限はとうとう1000セント(10ドル)台を突破しました。

 現地2月5日の取引では一時的に969.75セントの終値を付けた3月限は、その後、短期的に売られる場面が見られながらも現地12日の取引を1001.75セントで終え、その後も大幅続伸となり一時は1013.50セントと中心限月の終値としては昨年7月21日以来の高い水準を付けています。

 この価格上昇を誘発する原因となっているのが、アルゼンチン産地での乾燥です。アルゼンチンの大豆輸出量は世界第3位でその輸出量も16/17年度は703万トンと、世界第1位のブラジルの6314万トン、第2位のアメリカの5916万トンを大きく下回っています。

 ただ、大豆粕に関しては同年度のアルゼンチンの輸出量は3132万トンと、世界第2位の輸出国ブラジルの1376万トン、第3位の米国1052万トン大きく引き離しており、世界最大の大豆粕輸出国として圧倒的な存在感を放っています。

 このアルゼンチンの大豆産地では17/18年度の大豆生育初期段階から乾燥した天気に見舞われ、昨年11月半ば以降、乾燥が懸念される状況が続いており、これを受けて同国の大豆粕輸出が減少するのではないか、との懸念が大豆価格を押し上げる根拠になっているのです。

 そのアルゼンチンでは2月に入り昨秋作付された大豆が開花~受粉の時期を迎えました。大豆生育にとって生産量に最も影響がある時期だけに、高温乾燥が続いていることでイールドの低下懸念が一段と強まっているのです。

 実際、米農務省(USDA)は今月8日に発表した需給報告において17/18年度のアルゼンチンの大豆生産量予測を前月時点の5600万トンから5400万トンへと引き下げました。

 さらにブエノスアイレス穀物取引所も2月に入ってから17/18年度のアルゼンチンの大豆生産量予測をそれまでの予測から100万トン引き下げた5000万トンとしており、同国の乾燥が深刻な影響を及ぼしている様子をうかがわせています。

 なお、今回の需給報告では同年度のアルゼンチンの大豆粕輸出量は前月と同量の3120万トンに据え置かれていますが、需給報告発表後も乾燥した天気が続いていることで、今後、同国の大豆粕輸出量が引き下げられる可能性が高まったと見られます。

 それと同時に、この大豆粕輸出量下方修正観測が主因となって今後も大豆価格は底意の強い足取りを演じることが見込まれます。

【ブラジル産の生産量予測は引き上げ】
 とはいえ、10ドル台という価格水準を安定して維持できるかという点については疑問が残るのも確かです。

 その理由としてまず挙げられるのがブラジルの生産量でしょう。今回の需給報告ではアルゼンチンの17/18年度の大豆生産量予測が同国の乾燥による影響を受けて下方修正されたのは先に述べた通りですが、同時にブラジルの生産量予測は引き上げられているのです。

 ブラジルの同年度の大豆生産量予測は前月予測の1億1000万トンから1億1200万トンへと上方修正されました。アルゼンチンの生産量の下方修正幅とブラジルの生産量の上方修正幅が同量であるため、アルゼンチンの減産はブラジルの増産によって補われることになります。

 また、このブラジルの生産量引き上げはそのまま同国の輸出量予測の上方修正に反映されると同時に、米国の大豆輸出量は下方修正されています。

 ちなみにそれぞれの輸出量予測を見てみると、ブラジルが前月予測の6700万トンに対し6900万トンとされたのに対し、米国の輸出量は前月予測の5879万トンから5715万トンへと引き下げられました。

 さらに、米国では輸出量が引き下げられたことで期末在庫量は前月予測の1279万トンから1442万トンへ上方修正されている、つまり米国の大豆需給は緩和に向かう可能性が示されているのです。

 今後、アルゼンチンの大豆生産量がどの程度の引き下げとなり、そして同国の大豆粕輸出がどの程度の影響を受けるか、という点が問題になってきますが、今回の需給報告から見る限り、アルゼンチンの生産量が下方修正されたとしても、ブラジルが潤沢な供給を提供することで減産分は相殺されることになり、結果として世界的な需給には大きな変化は出ない可能性がある点には注意が必要でしょう。

【米国産の作付け意向予想は前年を上回る】
 大豆価格の行方を楽観視できないもう一つの理由として挙げられるのが、今春の米国の作付意向面積です。

 今春の米国の大豆作付見通しについて米調査会社のインフォーマ・エコノミクスは1月23日に前月の9138万7000エーカーから9119万7000エーカーへと引き下げました。

 この作付面積は前年の9014万2000エーカーは上回るものであるため、18/19年度の生産量は17/18年度に記録した過去最大の43億9200万Bu以上に達する可能性があります。

 特に大豆価格の急伸によって大豆とコーンの比価が2.75にまで拡大している現状から見ると、利潤性の高い大豆へと作付意欲が高まるようであれば、天候リスクという側面はあるとはいえ、18/19年度の生産量は17/18年度を上回り、これに伴い大豆需給が一段と緩和することになりかねません。

 アルゼンチンでは当面、まとまった雨は期待できないと予測されているため、目先はアルゼンチンの乾燥懸念を手掛かりにした買いが大豆価格をサポートすることが見込まれます。

 ただ、世界の需給状況や今春の米国の作付拡大の可能性から見ると、価格見通しは必ずしも楽観視できるものではなく、上昇後の反動に対する準備が必要であるように考えられます。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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