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低迷が続くコーン価格浮上の可能性を探る

 シカゴ市場ではコーン価格が低迷しています。中心限月の3月限は346.50セントの安値に何度も顔合わせをし、それ以上の下落は見られないことが下落に対する抵抗の強まりを窺わせながらも、その一方では350セントが上値抵抗になっています。

 このような価格の低迷は米国内の17/18年度の生産量が過去第2位となる145億7800万Buに達していることを受けてこの年度の期末在庫率が16.8%と潤沢と意味する水準に上昇する見通しとなっていることが背景となっています。

 ただ、気を付けたいのは今後、この期末在庫率が引き上げられる可能性も残されているという点です。というのも、現時点における17/18年度の米国のコーン輸出は前年度を大幅に下回っているからです。

 なお、米農務省(USDA)の発表によると、12月7日時点の輸出成約高の年間累計量は2376万6100トン。これは前年同期の3309万3800トンを28%と大幅に下回っています

12月の需給報告では17/18年度のコーン輸出量は前年度の5824万トンを下回る4890万トンと予測されています。これに対し、ブラジルの輸出量は前年度の3600万トンから3400万トンへと僅かに減少する一方、アルゼンチンの輸出量は前年度の2550万トンから2900万トンに拡大するとの見方が示されています。

 つまり、アルゼンチンからの輸出増加が米国のコーン輸出を圧迫する可能性が需給報告から窺われるわけです。

 国内に豊富な在庫を抱えながらも南米からの圧力の高まりから輸出が引き続き伸び悩むならば、17/18年度のコーン期末在庫は上方修正される可能性もあります。

 そうでなくてもすでに145億7800万Buと過去第2位の生産量が確定されたことによる需給緩和に対する警戒感が重石となっていることから、シカゴコーンは暫くの間、低迷を強いられる可能性が高いと思われます。

【価格が上向く可能性】
 それではどのような材料が浮上すればコーン価格が再び上向く可能性が高まるのでしょうか。

 まず第一に挙げられるのが、アルゼンチンの産地での乾燥です。すでに11月半ばから12月初旬にかけてアルゼンチンの乾燥に対する警戒感が手掛かりになって価格が上昇する場面を経験しています。

 12月に入り、アルゼンチン産地での降雨が観測されたことで乾燥に対する懸念が後退するなか、価格も下値を追う動きを演じたわけですが、アルゼンチンを含めた南米諸国の穀物生育期は初期段階で、生育に重要な時期を迎えるのは来年初頭となります。

 そのため、乾燥した天気が再び広がるようであれば、アルゼンチン、そしてブラジルの生育悪化に対する警戒感が高まる可能性が十分に残されています。

 特にブラジルでは大豆の収穫が終了した後に生育が開始される後播コーンの生産量が全体の生産量の約70%を占めるため、1月以降に生産が開始されるこのサフリーニャコーンの生育が同国のコーン供給のカギを握ることになります。

 現時点ではアルゼンチンの降雨が売りを呼び低迷場面を強いられていますが、今後、再び南米諸国で乾燥した天気が広がるようであれば、コーン価格が浮上してくることが見込まれます。

 その次に挙げられる要因は、米国での作付面積縮小の可能性です。中心限月が350セント以下で低迷していることを受けて、大豆との価格差は2.75前後と大豆が割高な状態となっています。

【来年の米国産コーンの作付け面積は減少か】
 今後は来春の米国の作付面積に対する意識も強まる時期ですが、大豆へと作付意欲が高まると現時点では予想される一方、コーンの作付面積に関しては減少する可能性が高いとの見方が広がることになりそうです。

 作付面積が縮小することで次年度のコーン生産量は減少に向かう可能性が高いとの見方が強まれば、コーン価格を押し上げる要因にもなり得るのではないでしょうか。

 ただ、米国のコーン輸出が低迷している以上、需要低迷が影響して市場のセンチメントが強気に傾いたとしてもその勢いは短期的な物に終わる可能性が高いと見られます。

 また、来年は3回の追加利上げが見込まれていることで継続的なドル安場面が見られる可能性が今のところは低いこともコーン市場での圧迫要因となってきそうです。

 米国内の供給過剰感が払しょくされない限りコーン価格の安定的な上昇を見込むのは難しいとはいえ、その可能性が全く存在しないわけではありません。価格の上昇が短期的に終わる可能性はあるにしても、アルゼンチン、ブラジルの年明け以降の天気、そして米国の作付面積見通し次第では上向く可能性があることに留意したいところです。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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