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大豆とコーンの明暗の理由とは

 今週に入ってからシカゴ大豆は大幅高場面を演じています。現地5日の取引では中心限月である1月限は10.00セントの上げ幅を記録し、10月16日以来、初めて1000セント(10ドル)台で取引を終えました。

 大豆市場の強気な足取りは、アルゼンチンの主要産地で乾燥した天気が広がっており、これが同地の大豆のイールド低下を促すとの懸念が再燃したことが背景となっています。

 アルゼンチンは世界第3位の大豆輸出国であると同時に世界最大の大豆粕輸出国です。さらに、同国は世界第3位のコーン輸出国でもあるため、同国の乾燥した天気はコーン市場でも強気材料視されてもおかしくはないと考えられるでしょう。

 しかしながら、実際にはシカゴコーンは冴えない足取りが続いています。シカゴ大豆が10ドル台に乗せたのと同日の現地5日の取引では大豆市場の上値追いが買いを誘発したとはいえ、中心限月の3月限の上げ幅はわずかに0.25セント高。終値も353.75セントにとどまりました。

 シカゴコーンは前週末には360セントを目指す足取りを見せながらも週明けとなる現地4日には大幅安に転じ、その後も大豆価格の上昇にもかかわらず伸び悩んでいるのです。

 なお、シカゴコーン市場では9月7日の取引以来、360.00セントを上値抵抗にしての推移が続いています。大豆市場が約1か月半ぶりの水準まで価格を回復させたにもかかわらず、コーン市場は上値を抑制される展開が続いていることから、現在のコーン価格が停滞している様子が分かるでしょう。

 ちなみに、大豆、コーンそれぞれの価格差は2.4~2.5前後が適度と考えられます。それでは現在の大豆とコーンの比価はどの程度でしょうか。12月5日のシカゴ日中取引終了時点の中心限月の価格は大豆が1008.50セントとなっているのに対し、コーンの中心限月の終値は前述のように353.75セントだったため、比価は2.85となっています。

 なお、米コーンベルトがコーンの生育に最も重要な時期となる6月から7月にかけての時期の比価格は2.4~2.5でしたが、アルゼンチンの乾燥に対する警戒感が強まって以降、コーンと大豆の比価格は概ね2.8を上回る状態での推移が続いているのです。

 つまり、現在の比価から判断する限り、大豆の方が割高度を次第に高めている状態にあるのです。特に注目されるのが、現在乾燥した天気に見舞われているアルゼンチンは、大豆、コーン双方の主要産地であるため、同じようなペースで価格が上昇してもおかしくないにもかかわらず、大豆が大きく値位置を切り上げている点です。

 その理由として挙げられるのが、まず輸入国の動向でしょう。特に世界最大の大豆輸入国である中国の需要が米国産に向けられるとの見方が価格を押し上げる一因となっています。

 というのも、中国のコーン輸入は年間およそ300万トン前後で伸び悩む一方、大豆の輸入量は年々伸び続けているからです。2017/18年度に関して見てみると、米農務省(USDA)によると、同国のコーン輸入量は300万トンが見込まれる一方、大豆輸入量は9500万トンの見通しとなっている。

 アルゼンチンの大豆生産量が減少し、アルゼンチンの大豆輸出量並びに大豆粕輸出量が減少するようであれば、米国産の輸出用需要が増加し米国内の需給引き締まりが促されることが見込まれます。

 そもそも、米国内の在庫に関しても2017/18年度は大豆の期末在庫率は9.8%と前年度の7.1%からは上昇するものの、依然として一桁台が見込まれているのに対し、コーンは17.2%と荷圧迫感が強まってもおかしくない水準への上昇が予測されています。

 根本的な需給状況に違いがあるなかで、世界最大の輸入国である中国が旺盛な需要を見せて射る結果、需給が引き締まる可能性がある要因が台頭したことが大豆価格を押し上げる一方、需給緩和が進みながらもアルゼンチンの乾燥でも需給が引き締まる可能性が見込めないことが、コーン価格の頭重い足取りの原因となり、現時点では明暗が分かれる状況になっているのです。

 とはいえ、コーン価格の頭重い足取りが必ずしも長期化するとは限りません。というのも、これ以上乾燥した天気が続くようであれば、12月上旬から半ばにかけて開花~受粉期を迎えるコーンのイールドが低下するリスクが高まるからです。

 割高感の強まる大豆価格にコーンは追い付くことができるのか。引き続きアルゼンチンの天候から目が離せない状況が続きます。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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