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需給報告における最高水準のコーンイールド示現のインパクト

 シカゴ市場ではコーン価格が下値を追う足取りが続いています。現地14日の取引で中心限月である12月限は340セント台を昨年10月以来、初めて割り込み、一代安値を更新し、337.50セントで取引を終えました。

 コーン市場の地合い軟化のきっかけとなったのが、現地9日に発表された米農務省(USDA)需給です。

【今年の米国産コーンの生産は史上2位の豊作】
 今回の需給報告でもっとも大きなサプライズとなったのが、2017/18年度の米国におけるコーンのイールド見通しです。

 10月時点では171.88Buと予測されていたイールドは、今回の報告において175.4Buまで大幅に引き上げられ、大豊作となった前年度の174.6Buを上回る結果となったからです。

 特に今年は作付が開始された当初は雨に見舞われて作付が遅れたことに加え、6月後半から7月半ばというコーン生育に最も重要な時期には高温乾燥という、これまでならば最悪とされる生育環境に見舞われました。

 それにもかかわらず過去最高のイールドを記録する見通しが強まっているという事実は、これまで常識としてきたコーン生産に関する状況が大幅な変化を遂げており、生育におけるリスクが著しく低下しているという現状を示していると言えるでしょう。

 なお、この高水準のイールドが見込まれる結果、17/18年度の米国のコーン生産量は前月の142億8000万Buから145億7800万Buへと引き上げられています。

 これは14/15年度の142億1555Buを大幅に上回り、過去第2位の生産量となる可能性が極めて高くなっています。作付面積は過去第5位にとどまっているにもかかわらず、生産量が過去第2位を記録するということから、生産性が如何に高まって居るかということが分かります。

 ただ、このように生産性が高まっているにもかかわらず、米国のコーン需要が伸び悩みを見せる可能性が高いことが、荷余りに対する警戒感を強めています。

 特に今回の需給報告では17/18年度の輸出見通しが前月予測の18億500万Buから19億2500万Bu(およそ4890万トン)へと引き上げられているものの、実際の輸出は低調な状態が続いており、輸出状況次第では今後の需要見通しは引き下げられる可能性がある点に注意が必要でしょう。

【南米の豊作が米国産の輸出低調の一因】
 現地11月2日時点の米国のコーン輸出成約の今期の累計は前年同期の2598万5000トンに対し1939万3200トンにとどまっています。

 この輸出の低調の一因と考えられるのが、南米の主要生産国であるアルゼンチン、ブラジルの豊作です。

 特にブラジルでは近年、サフリーニャコーンという二期作目のコーン生産量が大幅に拡大していることが大きく影響していると考えられます。というのも、このコーンは例年1~3月に播種され、収穫は5~9月に行われるため、米国のコーンが市場に出回る直前まで南米からは潤沢なコーンの供給が行われているからです。

 また、南米産のコーン供給量、とくに二期目のコーン生産量が拡大したことは、ほぼ一年を通してコーンの十分な供給を期待することができるようになったことを意味します。

 その結果、輸入国側はコーン輸入を米国のみに頼る時期を考慮する必要がなくなったばかりでなく、輸出国側としては価格、品質などの面においてこれまでにも増して激しい競争にさらされることになっているのです。

【天候リスク低下で価格上昇見込めず】
 コーン生育に最も悪影響を与えると考えられる高温熱波に見舞われながらも大豊作が示現できたことは、天候相場期における生育リスクが著しく低下していることを示すと同時に、コーン価格が上値波乱を演じる可能性が大幅に低下したことを明らかにしました。

 南米諸国からの供給量の拡大と供給が可能なシーズンの長期化を受けて対外的には競争が激化してます。米国内における天候リスクの大幅な低下は、他の生産国にとっても同様の事態が発生する可能性が高いことも意味しています。生育における大幅なリスクの低下を受けてコーン価格の将来的な価格上昇を見込むのがますます難しくなってきたと言わざるを得ません。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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