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原油価格は上昇基調を維持できるのか

 現地10日の取引においてNY原油は大幅高場面を演じました。この日、中心限月の1月限は前日比1.34ドルの50.92ドルと、50ドル台を回復して取引を終えています。

 このような強気な足取りの背景となっていたのが、来月開催される石油輸出国機構(OPEC)総会に対する期待感です。

【OPEC総会で減産合意の再延長との見方強く】
 OPECは来月11月に次回の総会を開催しますが、この総会において減産合意再延長が前向きに検討されるとの見方が強く、これが供給の引き締まりを促す可能性があるとの期待が高まっているのです。

 そもそもOPECの減産合意は昨年11月末に成立しました。この産油量を引き下げる動きはその後、15年ぶりとなるOPECとロシアなど他産油国との減産合意へ繋がり、今年1月から量180万バレル相当の協調減産を行うことで合意しています。

 今回、新たに減産合意の再延長が行われるようであれば、原油価格が頭重い足取りを展開し続けるなか、その価格上昇を狙って参加国が拡大する可能性が高い、との見方が浮上しており、これが価格をサポートする要因になっています。

 とはいえ、減産合意が決定された当初こそ、価格が上昇する動きが見られているものの、価格に与える継続的な影響に関しては不透明感が強いのも事実です。なぜなら、OPEC内のうち政情不安を理由に産油制限の枠から外れているリビアが順調に産油量を引き上げ、7月24日に生産制限が設定されたナイジェリアが生産枠を遵守せず第3四半期の生産が第2四半期を上回る増産体制を継続したことで、他のOPEC加盟国の減産の影響が相殺されていると見られるからです。

 実際、9月の原油生産に関してみると、大手通信社であるブルームバーグ社は10月3日にOPEC加盟国の産油量は日量3283万バレルと、前月よりも12万バレル増加したとの調査結果を明らかにしました。 

 また、OPECが月間で発表しているオイル・マーケット・レポートによると、6月から8月にかけての3か月間は、OPEC加盟国14か国のうちリビア、ナイジェリアを除く12か国の生産量はほぼ同程度で推移しているのに対し、リビア、ナイジェリアの6月、7月、8月の産油量(日)は概ね増加傾向にあります。

 ちなみにこの両国の6月、7月、8月の産油量はリビアが84万8000バレル、100万3000バレル、89万バレル、ナイジェリアが171万バレル、172万3000バレル、186万1000バレルとなっています。

 つまり、OPEC加盟国の他の産油国の産油量が制限を受ける一方で、リビア、ナイジェリアは産油量を伸ばしているという実情があるのです。当然のことながら、この両国の産油量の拡大はOPEC全体の産油量増加に影響しています。

 一方、これまでに述べてきたように原油価格が上昇したところではシェールオイルの増産が見込まれるという状況も依然として続いています。

 実際、米国エネルギー統計局(EIA)の発表では今年の増産傾向が明らかとなっています。昨年度と比べてみると、米国の産油量(日)は昨年は4月以降は900万バレルを下回る状態が続いたものの、今年は2月半ば以降、9月1週目に878万1000バレルを記録した以外、900万バレルを超える水準での石油生産が続いています。

【米国内の原油在庫は減少傾向も高水準】
 米国内の原油在庫はハリケーンの影響もあって減少傾向にありますが、それでも過去5年間のうちで第2位と高い水準にあります。産油削減に参加していない米国の場合、価格が上昇すればさらに増産する可能性が高く、協調減産が必ずしも世界的な在庫の引き締まりに直結するわけではない状況に変わりはないのです。

 NY原油先物価格は、来年の夏場の需要期の限月が底固い動きを見せているものの、夏場の需要期を終えた後となる2018年10月限以降の限月は割安感がある、つまり期先安となっています。

 これは今後の状況次第という側面は当然ながらあるにしても、現状から見る限り原油価格には先安観が強いと見るムードが強いことを示唆していると思われ、実際、今後も上値を抑制される足取りが続く可能性が高いと考えられます。

 11月のOPEC総会ではどのような決定がなされるのでしょうか。先安観が強い原油市場のムードを打ち破るような決定が行われるかどうか、注目されるところです。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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