FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

コーン、天候回復で大幅下落のその先は?

 7月に入ってから、シカゴコーン市場では大きく高下する展開が続いています。

 現地6月29日には359.75セントで取引を終えていた中心限月は、その後、大きく上昇し、現地7月11日の取引を401.75セントと400セント(4ドル)台に乗せて引けています。

 大きく高下する展開はその後も続きます。現地7月13日の取引では369.75セントまで値を落としたかと思うと、現地7月20日の取引で再び終値ベースで4ドル台を回復するやいなや、7月25日には382.25セントまで値を落としています。

 この1か月にわたり、およそ40セントの幅での取引が続いていることになります。

 概ね365~375セントと、10セントのレンジ内での往来にとどまっていた今年5月4日から6月5日までの1か月間の値動きとは対照的です。

 これは、天候相場期ならではの動きです。6月下旬以降、米国コーンベルトでは西部地域を中心に高温熱波に見舞われました。この熱波を受けてコーン価格が大きく上昇したのは、高温熱波に見舞われた時期とシルキング~ドウという開花~受粉という生産量に最も影響のある時期が重なったことが背景となっています。

 シルキング~ドウにあたる時期に高温熱波に見舞われると、開花不良、もしくは受粉不良が引き起こされ、その結果として生産量が減少することが見込まれます。

 一口に天候相場期と言っても、その時期は作付が始まる4月から収穫期にあたる9月までとおよそ4か月に渡ります。また、その時期によってコーンの生育ステージも変わるため、天候相場期の間に天候不良に見舞われたことが必ずしもイールドの低下につながるわけではありません。

 ただ、今年の場合、最もイールドの低下が引き起こされやすい条件、すなわち、コーンが開花~受粉という生産量に直結する生育ステージを迎えていた、穀物に最もストレスを与えやすい高温熱波に見舞われた、という2つの条件が揃いました。

 これがイールド低下観測を強め、その結果として価格が上昇したのですが、その後はコーンベルトでの降雨や気温低下が予測されると生育悪化懸念が後退して価格が大きく下落し、高温熱波見通しが強まれば再び上昇する、という動きを繰り返しています。

 コーンの場合、米国農務省(USDA)の発表から7月23日時点でドウ率が8%となっていることが明らかになっているように、受粉をほぼ終えて結実期を迎えつつあることが窺われます。

 とはいえ、今後は大豆が生産量に最も影響のある生育ステージを迎えること、そして8月も高温熱波が広がればコーンにとっては追い打ちになりかねません。

 そのため、成熟期を迎えるまでのしばらくの間は、引き続き天候次第で一喜一憂する足取りが続くことになるでしょう。

 ただ、気を付けたいのが、今後、天候回復が見られたとしてもコーン生産量を楽観視するのは難しいのが現状と考えられる点です。

 その理由として挙げられるのがまず、コーンベルトでの作柄です。USDAによると、7月23日の作況指数のうち「良」以上は62%でした。これは前週の64%からの引き下げであると同時に、前年同時期の76%を大きく下回る水準です。その一方で「劣」以下は12%。これは前週の11%、前年同時期の5%を上回ります。

 7月に入ってからのコーンの作柄は「良」以上が3週連続で引き下げられる一方、「劣」以下が同様に3週連続で引き上げられています。つまり、作柄の悪化が如実に表れている状態となっています。

 同時に、シルキング率、ドウ率は共に前年同時期、平年に後れをとっており、高温熱波は作柄だけでなく、コーンの生育スピードにも悪影響を与えている様子がうかがわれます。

 コーン価格は今後、天候の回復が見られればさらに下押されることになるでしょう。かしながら、穀物の生育にとって最も重要なのは生産量に直結する時期の天候とその天候下での作柄です。今後、天候が回復すれば作柄の回復には影響が見られても、生産量の回復にはつながる可能性が低い点を認識しておく必要があるでしょう。

 8月には7月の生育状況を踏まえたうえでのUSDA需給報告の発表が行われます。2017~18年度のコーン生産量の具体的な予測はこの発表を待たなければなりません。USDAは次回の報告でどの程度のコーン生産量を見込んでくるのでしょうか。注目されるところです。

【ご注意】本ブログに掲載されている情報の著作権は株式会社日本先物情報ネットワークに帰属し、本ブログに記載されている情報を株式会社日本先物情報ネットワークの許可無しに転用、複製、複写することはできません。

平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ

URL変更のお知らせ

KlugFXのURLはhttp://klug-fx.jpへ変更となります。お気に入りやブックマークなどに登録されているご利用者さまは、お手数ですが下記の新URLへの変更をお願いいたします。

http://klug-fx.jp