FX外国為替情報のKlug(クルーク)
為替、海外投資でハイリターンを得るためのニュース、レポート、コラムを掲載

天候相場期を迎えているとうもろこし市場の上値がますます重くなりそうな理由

 シカゴとうもろこし市場では、一進一退の動きが続いています。作付けが開始されて以降、降雨による作付遅れに対する警戒感から値を伸ばし、現地5月1日の取引では379.00セントと、380セントに迫る動きを見せました。

 しかし価格を押し上げた理由が天候だったことから、米国コーンベルト地帯の天候が回復するに伴って地合いも軟化し、現地5月8日の取引では365セント割れ直前の水準まで値を落としています。

 その後は、米国産地の天候を睨みながら、概ね365~370セントのレンジ内での足取りが続いています。

 365セント割れに対する強い抵抗を見せている理由となっているのが、前述のように、米国のコーンベルト地帯では雨が降り続いた結果、一部のとうもろこしは再作付が必要な状態になっているもしくは、作付が放棄された状態になっていると見られていることが背景となっています。

 特に、インディアナ、オハイオといった主要産地での土壌水分が過剰とされていることが警戒感を強めているようです。

 しかし、米国農務省(USDA)の発表によると、5月28日時点の作付進捗率はインディアナ州が81%、オハイオ州が82%となっています。インディアナ州の場合、この作付進捗率は前年同時期の83%、平年の90%を下回るものとなりますが、オハイオ州の場合は平年と同水準、そして前年同時期の79%をわずかながら上回る水準に達しています。

 また、同じくUSDAの報告によると、インディアナ州の通常のとうもろこし作付期間は5月1日~6月1日間、そして最終的な作付日の目安は6月10日となっています。

 そのため、作付けペースが平年と同水準のオハイオ州のみならず、若干の遅れは見られながらも日程的には余裕を残しているため、土壌水分が過剰気味の両地域ではありますが、現時点で作付け遅れを懸念するほどではないと考えられます。

 当初は作付遅れこそ懸念されたものの、すでに5月28日時点の18州平均の作付進捗率が91%と平年の93%とほぼ程度に達しているうえ、発芽率も若干の遅れは見られながらも73%まで上昇していることから、現時点では作付遅れを警戒する必要はな
いと考えられます。

【ブラジルレアルの軟化と同国の収穫開始が上値圧迫要因】
 このような作付遅れに対する警戒感の後退は、とうもろこし市場の重石となってきそうですが、とうもろこし市場にとって上値を圧迫する要因となるリスクが浮上しています。

 それは、ブラジルの政情不安と同国での裏作とうもろこしの収穫開始の報です。

 ブラジルでは現地18日にテメル大統領による賄賂黙認テープを巡り、大統領に対する信頼が失墜しするなか、現地22日には格付大手であるS&Pが同国の外貨建て長期格付(BB)の格下げ見直しに向けて検討する方向であることを明らかにしました。

これを受けてブラジルの通貨レアルは軟化し、5月22日の週には対ドルで0.2%の下落を記録しています。

このブラジルの通貨の下落は、ブラジルの輸出を活発化させる可能性を高める一方、米国の輸出を圧迫する要因になるとの見方から、とうもろこし市場においては弱材料となります。

もともと、16~17年度はブラジルの増産を受けて同国のとうもろこし輸出は拡大することが見込まれています。このようななかでレアル安が進行することにより、米国のとうもろこし輸出に対する圧力がさらに強まるとの見方が広がり、これが上値をよりいっそう重くする要因になってくると考えられるのです。

さらに、このレアル高が進行するなかで、ブラジル最大の裏作とうもろこし産地では裏作とうもろこしの収穫開始が伝えられています。実際に収穫が開始されることで、同国からの供給拡大が現実の物となってきているのです。

ちなみにブラジルの16~17年度のとうもろこし生産量は前年度の6,700万トンから9,600万トンへと大幅に拡大し、これを受けて輸出量も前年度の1,400万トンから3,400万トンへと急増する、とUSDAでは予測しています。

【米中西部の天候が意識され売り手控えられるも目先は頭重い足取りか】
とうもろこしの生育にとって最も重要になるのは夏場の熱波です。そのため、今後も7月から8月にかけての米国中西部の天候と、この時期の生育状況が強く意識されるなか、売り控えられる傾向が続くと予想されます。

しかし現時点では生育遅れは懸念されるほどの水準ではないうえ、ブラジルの増産と同国での収穫の開始を受けた世界的な供給量の拡大が目前に迫る、とう状況下では、とうもろこし価格は強い圧迫を受けざるを得ません。

米国の天候次第では上放れる可能性を残しつつも、前述のように弱材料が台頭していることを受けて、目先は頭重い足取りを強いられることになりそうです。

【ご注意】本ブログに掲載されている情報の著作権は株式会社日本先物情報ネットワークに帰属し、本ブログに記載されている情報を株式会社日本先物情報ネットワークの許可無しに転用、複製、複写することはできません。

平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

メールマガジン

山岡和雅が毎日発行!
外国為替ディーラーの心の中

毎日の為替相場を、市場参加者の目を通して判り易く解説。為替ディーラーの本音は?【まぐまぐ殿堂入り】

バックナンバー

朝刊 ニューヨーク為替市場レポート
米国市場の動きを、朝一番に配信!! FX、外国為替、米国株、米国金利など、テレビやWEBサイトでは得られないニューヨーク金融市場情報のほか、アナリストの独自解説も配信します。

バックナンバー

powered byまぐまぐトップページへ

URL変更のお知らせ

KlugFXのURLはhttp://klug-fx.jpへ変更となります。お気に入りやブックマークなどに登録されているご利用者さまは、お手数ですが下記の新URLへの変更をお願いいたします。

http://klug-fx.jp