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膠着の様相を見せる金市場の方向性を考える

NY金市場では、中心限月の6月限が1,260ドルを上値抵抗にしての膠着状態に陥りつつあるように見られます。NY金は、現地5月16日の取引までは1,240ドルを上値抵抗にしての推移が続いていました。

その後、現地5月17日の取引で一気に値位置を切り上げましたが、それ以降は1,260ドル突破にトライする動きを見せながらも、結局のところは1,260ドルの上値抵抗の強さが改めて明らかになる動きにとどまっています。

そもそも金価格が5月17日に大きく値位置を切り上げたのは、米国の政局に対する不安感の強まりが背景となっていました。

この日、米国ではトランプ米大統領が ロシアに対して機密情報を漏洩していた、とされるいわゆる「ロシア・ゲート」疑惑に対する警戒感が強まり、安全な投資先を求める動きが活発化しました。

これを受けて中心限月の6月限は、一時1261.50ドルまで値を伸ばしただけでなく、前日比22.3ドルの上げ幅を記録して1258.7ドルでこの日の取引を終えています。

しかしながら、その後は前述のように、1,260ドルを上値抵抗にしての推移が続いているのです。

【注目される金ETFの動向】
金価格がこれ以上、値位置を切り上げるだけの潜在力を現時点で保有しているのかどうかを知る手掛かりとなるのが、金に対する安全な投資先としての需要を示す端的な経済指標として注目される金上場投資信託(ETF)の動向でしょう。

実は、世界最大規模の金ETFであるSPDRの残高は、ここ最近の金価格とは連動しない動きを見せています。

金価格が大幅な上昇場面を演じた5月17日時点の残高は前日と同じ851.89トン。それどころか、その後は一時的な増加を除き、SPDRゴールドの残高は縮小傾向を見せているのです。

ちなみに、現地5月23日時点の残高は847.45トンでした。SPDRゴールドの残高が850トンを割り込むのは、現地4月18日以来、初めてのことになります。つまり、SPDRゴールドの推移からは、現時点では金に対する安全な投資先としての需要は根強いものの、積極的に投資していくほどの勢いは乏しい、という状況が窺われるのです。

【米追加利上げ観測が金の投資意欲の重石】
このように金に対する投資意欲の重石となっているのが、米国での6月の追加利上げ観測でしょう。

米国では現地6月13日~14日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。2017年に入ってから、すでに3月に追加利上げが実施されていますが、3月のFOMC後に公表された政策金利見通しでは、年内にあと2回の追加利上げを実施する見通しが示されたことで、6月のFOMCで追加利上げが実施される、との見方が大勢を占めているのです。

とはいえ、5月23日時点で「フェデラルファンド金利」の誘導目標を「年1.00~1.25%」へ引き上げると予測している割合は83.1%となっています。これはCMEのFedwatchの発表によりますが、同発表によると、追加利上げを見込む動きは日増しに上昇しています。

ただ、それでも3月に追加利上げが実施された際には、追加利上げを実施するとの予想は90%以上に達していたため、現在の水準ではまだ追加利上げを織り込む余地がある、と考えられるのです。

とはいえ、5月の製造業景況感指数の急低下、4月の住宅着工件数減少、と米国の経済指標には弱気な内容の発表も見られています。今後も経済指標の内容次第では、年内の追加利上げ回数が残り1回に留まる可能性も出てきたと言えるでしょう。その場合には、年内に残り2回の追加利上げを織り込んだ反動が見られると予想されます。

しかしながら、現時点で大勢を占めているのは、6月の追加利上げを見込む動きであり、なおかつ、その一方では現時点ではまだ完全に追加利上げを織り込んでいないという現状も見受けられます。

そのため、政治リスクに対する警戒感を織り込みつつある金市場では、新たな情勢不安などの材料が浮上しない限り、追加利上げに対する警戒感が重石となるなか、上値を抑制される展開が続くと予想されます。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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