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大豆市場の下落基調は何を示すのか

 年末年始を挟むなか、シカゴ大豆市場は続落場面を演じています。昨年12月27日には中心限月の1月限が前日比で25.75セントもの上げ幅を記録し、翌28日にもその勢いを引き継いだ動きが見られました。しかしながら、この日、上昇への勢いが見られたのは一時的で、取引自体は反落して終えるなど、大豆市場の強い足取りがごく短い間の動きにとどまったのです。

 その後は、続落場面が続いており、現地1月3日の中心限月の終値は986.75セント。急伸場面を演じた12月27日の始値が989.75セントだったため、この日の上げ幅を完全に消化し、さらに値位置を落としたことになります。

 この大豆市場の足取りは大豆市場におけるどのような変化を示しているのでしょう
か。

 まず、12月27日の急伸の背景を振り返ってみましょう。この日はドル高に一服感が強まるなか、年末を控えてドルの整理売りが入りドル安が進行したほか、017年1月1日からは15年振りとなる産油国の減産開始を控えるなか原油価格が上昇したこと、そして飼料用穀物価格が上昇していたこと、といった材料が手がかりとなって大豆市場にも買いが集まっていました。

 なかでもドル安の進行は、それまで米国産大豆に中国からの旺盛な需要が見られていたこともあって、米国の大豆輸出を活発化させるのではないか、との期待も高めたのです。

 しかしながら、その米国の輸出用大豆需要の拡大期待を相殺する材料が浮上したのです。それが、ブラジルの大豆生育状況でした。

 ブラジルでは9月半ばに大豆の作付が開始されましたが、クリスマスの数日前からマトグロッソ州、パラナ州で大豆の収穫が開始されたことが明らかとなったのです。

 ブラジルの大豆産地は、9月の作付開始以降、天候に恵まれた状態が続いています。米国農務省(USDA)はブラジルの2016~17年度の生産量は1億2,000万トンに達すると予測していますが、これまでの生育状況からはこの生産量を達成する可能性は十分にあると見られています。

 昨年度の生産量が9,650万トンだったため、2,350万トンの増産になる見通しですが、これに伴って16~17年度の輸出量も5,438万トンから5,840万トンへ拡大することが見込まれています。

 一方の米国の2016~17年度の輸出量は前年度の5,269万トンから5,579万トンへと増加する見通しとなっていますが、それでもブラジルの輸出量を2年連続して下回ると予測されているのです。

 ブラジルの収穫開始の便りは、好調となっていた米国の大豆輸出が今後は圧迫される可能性が高まることを意味しており、大豆市場の続落はこの米国の大豆輸出縮小観測を織り込む動きと言えるでしょう。

 ドル高に一巡感があることが、米国の大豆輸出にとっては安心材料ですが、トランプ新政権の誕生に伴い、再びドル高が進行する可能性もあります。

 また、為替面に動きが見られなかったとしても、ブラジル、米国と世界第1位、第2位の大豆生産国における大幅な増産を背景とした世界的な大豆需給の緩みは大豆市場において長い間に渡って圧迫要因になってくると思われます。

 年が明けるなか、今春の米国の大豆作付面積に対する意識が高まってきています。大豆価格が圧迫される状況が続くようであれば、米国の大豆作付面積が縮小するとの見方が高まり、これが価格の上昇を促すことになるでしょう。

 とはいえ、これからブラジルの大豆輸出が本格化する時期を迎えるだけに、米国の大豆作付にある程度の見通しが付くまでは低迷場面を強いられる可能性が高く、年末年始の続落場面はそれを示唆する動きだったと考えられます。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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