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OPEC減産合意でも容易ではなさそうな原油価格の回復

現地9月28日、石油輸出国機構(OPEC)は、アルジェリアの首都アルジェで開催
された臨時総会において、加盟14か国の1日当たりの産油量を3250万~3300
万バレルに制限することに合意しました。

当初、この臨時総会では産油量の凍結に向けた話し合いが進められていると見られてい
たこともあり、それ以上に踏み込んだ減産合意が発表されたことで、エネルギー市場で
は強気のサプライズとして捉えられました。

実際、この減産合意発表以来、NY市場では上値を追う足取りが続きました。OPEC
が減産合意を発表する直前となる現地9月27日のNY原油市場では、中心限月の11
月限は44.67ドルで取引を終えています。

しかしながら、減産合意が発表された翌日28日は47.05ドルで取引を終了。その
後も現地10月10日の取引まで修正を入れながらの続伸場面を演じた結果、10月1
0日には51.35ドルで取引を終えるなど、減産合意発表前日に比べると6.68ド
ルの上げ幅を記録しています。

ちなみに、NY原油市場で中心限月の終値が50ドル台を記録したのは、現地6月23
日以来のことになります。

このように強気ムードを高めたOPECの減産合意ですが、実際には減産が合意された
とはいえ、これによってかえって様々なジレンマが浮上してきたように思われます。

というのも、まず今回の減産が合意に至ったたとはいえ、どの国がどれだけの減産を負
担するのか、という点がまだ決定されておらず、減産が実行に移されるかどうか、とい
う見通しは不透明なままとなっています。

また、実際に減産が実行されるとしても、その量は8月の産油量(日)3324万バレ
ル、そして、10月11日に発表された最新のレポートにおいて国際エネルギー機関
(IEA)が明らかにした9月のOPECの産油量3,364万バレルを最大でも11
4万バレル縮小する程度にすぎません。
縮小する程度に過ぎない、と考えられるのは、OPECが産油量を引き下げても、非O
PEC加盟国が増産すれば、OPECの減産分が相殺される可能性が高いことが根拠と
なっています。

IEAによると、今年のOPEC非加盟国の産油量(日)は第1四半期が5,700万
バレル、第2四半期が5,600万バレルとなっていますが、これは前年同時期をそれ
ぞれ20万バレル、そして130万バレル下回るものです。

また、昨年第3四半期にはOPEC非加盟国の産油量(日)は5,790万バレルに達
しているため、OPEC非加盟国は現時点で少なくとも100万バレル以上の産油能力
を保有していることが窺われます。

さらに注意したいのが、今年に入ってから第1四半期が5,700万バレル、第2四半
期が5,600万バレル(いずれも日量)と、OPEC非加盟国の産油量が減少してい
る理由が原油価格の低迷にある点です。

前述のように今年に入ってからOPEC非加盟国の産油量が落ち込んでいますが、その
主因となっているのは、シェール革命によって産油量が大幅に拡大した米国です。その
ため、原油価格が回復し、石油生産によって利益を得られる水準に達した場合には、米
国の産油量が再び増加してくることが予想されます。

つまり、OPEC加盟国と一部協力国で原油価格回復のための減産を実行したとして
も、価格の上昇が米国の石油生産を刺激するようであれば減産の効果は全く得られなく
なるばかりか、減産を実施した産油国がシェアを縮小するにとどまるというリスクも高
まることになります。

そのため、緩和状態にある需給が引き締まり、また原油価格が高値で安定するためには
思い切った減産が必要と考えられます。

原油価格回復に向けたOPECにロシアが減産協力の姿勢を示したことで、減産合意に
対する期待が高まっています。

しかしながら、合意に至る減産量がどの程度なのか、そしてそれが確実に実行に移され
るのか、不透明な点が残るうえ、OPECとロシアが協力体制をしいて減産を実施して
も、他産油国の姿勢次第では需給引き締まりが促されない可能性もあります。今後、原
油価格回復に向けてOPEC、そしてロシアなど関係国は引き続き難しいかじ取りを続
ける必要がありそうです。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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