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底値を探る展開のコーン市場が浮上する要因を探る

 低迷場面が続いているCBOTコーン市場は、8月下旬を迎えるにあたって軟化の様相をさらに強め、安値を更新し続けています。

 現地8月30日の取引では中心限月である12月限が前日より5セント安の315.75セントで引けました。CBOTコーン市場の中心限月の終値が320セントを割り込むのは、2009年9月半ば以来のことになります。

 米国では今春から今夏を通してコーンの生育に適した天候が広がったため今年のコーン生産量は151億ブッシェルを超えてくるとの予測を米国農務省(USDA)は需給報告で示しています。

 コーンは7月に開花~受粉、8月に結実~成熟期を迎え、9月半ば以降には収穫が本格化します。現時点では成熟を迎えた段階で、収穫が本格化するにはまだ時間があります。

しかしながら、コーンの生育にとって最も重要なのは結実が順調に進むかどうかのカギとなる開花~受粉の時期です。この時期は高温乾燥による影響を最も受けやすいため、この時期をどのような状態で乗り切るか、という点が重要視されます。

その開花~受粉期さえ順調に乗り越えることが出来れば、あとは天候による影響が限定されるなか、結実と成熟を待つのみとなります。そのため、今年のように極めて良好な状態で開花~受粉期を乗り切り、さらにはその後も良好な生育状態を維持していることは、豊作条件が揃った極めて稀な状況と言えるでしょう。

豊作条件が出揃ったことによる大豊作実現とこれに伴う需給緩和見通しが、およそ7年ぶりの安値までコーン価格を押し下げています。弱気一色の現状下でコーン価格が回復に向ける可能性としてはどのような要因が挙げられるでしょうか。

まず、第一の可能性として挙げられるのがブラジル要因です。ブラジルでは今年4月から5月にかけて厳しい熱波に見舞われました。その結果、2期作目のコーン生産量が大幅に落ち込んでいます。

ブラジルでは二期作目のコーン生産が主流となっています。15~16年度のコーン生産量に関してブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は干ばつに見舞われる前の4月時点では一期目が2,752万9,000トン、二期目が5,731万300トンと予測していました。
しかしながら、その後は干ばつの影響を織り込むに従ってコーン生産量予測は下方修正され、8月9日発表分では、一期目が2,588万3,200トンへ、そして二期目は4,259万2,700トンへと大幅に引き下げられました。

また、コーン生産量の総計は前年度よりも19.1%減少した6,847万5,900トンと、前年度比0.1%減の8,465万9,900トンという当初予測から大幅な下方修正を余儀なくされています。

なお、ブラジルでは2015年にレアル安が進行するなか、積極的にコーンを輸出していました。これに続く不作を受け、国内在庫が減少しています。ちなみに、USDAの需給報告によると、ブラジルの15~16年度のコーン期末在庫率は前年度の13.7%から9.5%へと大幅に縮小する見通しとなっています。

国内の需給引き締まりを受けて、ブラジルではすでにコーンの輸入が開始されています。現時点でUSDAはブラジルのコーン輸入量を15~16年度は前年度の33万トンを大きく上回る250万トンと予測していますが、この輸入量が実現されても期末在庫率が一桁に留まるという見通しが示されています。そのため、同国の輸入量が今後、拡大する可能性は十分にあり、同国のコーン輸入はコーン価格を押し上げる第一の要因と考えられます。

さらに、これから生育期を迎える南米諸国の生育環境がどのようなものになるか、という点もコーン価格を押し上げる可能性をもつもう一つの要因となるでしょう。

9月に入れば、南米諸国で大豆、コーンの生育が開始されます。熱波による悪影響が生産量を大きく押し下げた経験もあり、新穀の生育期における天候に関しては以前よりも鋭い反応が見られることになりそうです。

さらにもう1点、価格を押し上げ得る要因が挙げられます。それは来春の米国のコーン作付面積が縮小する可能性です。通常、コーンが豊作となった場合には、価格低迷をイヤ気して翌年度の作付面積が縮小するとの見方が高まります。

大豊作の可能性が高まるなか、過去最大の生産量というインパクトが価格を押し下げており、目先は底値鍛錬での推移が続くことになりそうです。しかしながら、大豊作見通しはこれまでに織り込みつつあったこともあり、来春の見通し、そしてブラジルの需給ひっ迫といった需給引き締まりを促す要因が存在していることもあって、コーン価格が底を打つ時期は意外に近いかもしれません。

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平山順(ひらやま・じゅん)氏

中央大学法学部卒、英国留学後
(株)日本先物情報ネットワークに入社。現在主任研究員。
商品全般に通じ特に穀物市場を得意とし、テクニカル分析には定評がある。
1999年にシリーズ3(米国先物オプション外務員資格)に合格。

株式会社日本先物情報ネットワーク

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